当院では, 薬剤師法の改定により, 平成9年4月より薬剤科において, 外来薬剤情報を提供している.
我々は, まず薬袋印字システムと連動して薬剤情報を一枚の用紙に打ち出すシステムの構築を試みた. しかしながら, 当初このシステムは文字数に容量制限があり, 薬剤の情報が不十分となるため, システムの改築を行い, 新システムが完成するまでの期間は, 副作用, 相互作用, 生活上の注意点を個々の薬剤に添付し情報提供を行った.
この間, 薬剤情報内容の見直しも行い, 平成9年10月から新システムにより, すべての情報を一枚の用紙で提供することが可能になった.
また同時に, 薬剤情報に関する患者の有用評価度, 理解度, 満足度などを把握するたあにアンケート調査をシステム改築前後で実施した. アンケートの結果, 改築前の診療科別分析では, 小児科, 外科, 脳神経外科で, 有用評価度, 理解度, 満足度の平均をかなり下回っていた.
システム改築前後の比較において, 改築後では有用評価度で7%の減少がみられたが, 満足度で逆に2%の増加がみられた. システム的にも, 78%の患者が改築後のシステムがよいと回答していた.
また自分勝手に服用をやめたりしたことのある患者のほとんどが, 医師や薬剤師に, 薬のことで相談したと回答していた.
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