肺気腫患者における運動制限因子について検討をした. 21例の肺気腫患者に運動負荷を行わせ, 最大運動負荷時のVO
2, VE, TV, O
2-Pulse, HRを計測し, また安静時の個々のデーターとの差△VO
2, △VE, △TV, △O
2-Pulse, △HRを計算しこれらの値を15例の間質性肺炎患者の運動負荷と対比することにより運動制限因子の検討を行った. 肺気腫と間質性肺炎の両群でVO
2, △VO
2に差はなく両群の運動能は同じであった. またVE, △VEも差はなく, 換気能もほぼ同じであった. O
2-Pulse, △O
2-Pulseは有意差はないものの肺気腫では, 間質性肺炎に比べて低値であった. HR, △HRは両群でほぼ同じであった. 肺気腫で△O
2-Pulseが低値である原因としては, 過膨脹した肺が心臓を圧迫し, 心拍出量の増加を制限していることによると考えた. 今回の研究では両群で有意差がでた因子はなかったが, 肺気腫では△O
2-Pulseが低値の傾向を示した.
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