医療
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58 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • ―情報共有とナレッジマネジメント―
    中村 幸夫
    2004 年 58 巻 11 号 p. 611-614
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    2004年4月1日に, 全国の国立病院と大部分の国立療養所は独立行政法人化し, 国立病院機構(National Hospital Organization:NHO)と名称も変えて再出発した. この時期に本特集「国立病院機構における情報共有とナレッジベース」が企画されたことは誠にタイムリーであり, 日本全国規模の医療機関ネットワークが今後なすべき課題を明確に示すものと期待される. はじめに本稿では, ナレッジマネジメントについて概説するとともに, 関連する専門用語などについても解説する.
  • 後藤 溶二
    2004 年 58 巻 11 号 p. 615-620
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    病院情報システムの中核であり基礎となるオーダー・エントリーの運用を8施設間で比較する. オーダー・エントリーは, まだ紙の診療録が主であるので, いくつかの箇所に記録しなければならず, このため検体検査, 処方, 注射の運用は, 施設ごとに最適化がなされた後もさまざまである. 検査ラベルの発行を病棟と外来で別個に運営している, 検査依頼の診療録への書き方, 指示簿の利用, 医事への送信, 処方内容の記述, 注射依頼の中止・追加・変更の運用方法, 薬剤の返納, 医事への送信, 実施記録などの方法は多岐にわたる. すでに導入した施設も新たに導入する施設も, 順調に稼働している他施設の運用方法から新たなやり方を見いだすことができる.
  • 大坂 喜彦
    2004 年 58 巻 11 号 p. 621-630
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    独立行政法人国立病院機構内で診療の連携や, 研究データ・経営データの相互参照を可能にするためには診療情報の共有が重要となる. しかし診療情報を共有するためには, インフォームドコンセントの取得や個人情報保護など解決しなければならない倫理的・法律的な問題が存在する.
    今回これらの問題について独立行政法人国立病院機構施設およびナショナルセンター各施設を対象に診療情報共有化についてアンケート調査を行った. その結果は, すでに倫理的・法律的問題を解決しつつある施設もあるものの, いまだ対策は完了していない施設も多いことが判明した. 今後診療情報の共有をすすめるにあたっては, インフォームドコンセントの取得や情報保護などの倫理的・法律的な問題を解決する必要がある. 問題の解決には各々の施設単位ではなく, 独立行政法人国立病院機構全体で取り組む意義があると考える.
  • 阿南 誠
    2004 年 58 巻 11 号 p. 631-638
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    われわれ国立病院機構の医療機関がDPCに対応していくための現時点での課題は以下の3点に集約されると思われる.
    1)ICDコーディングを含むデータベースの標準化
    2)院内データベース構築体制とデータベースの精度確保
    3)病院機構全体としてのデータ収集能力の改善とデータベースの病院運営での活用が必要である.
    これらをふまえて, 当院の診療情報管理室の活動状況を例に, HOSPnet活用の可能性を報告する.
  • ―オンライン通知文書データベース構築を通して―
    山縣 元
    2004 年 58 巻 11 号 p. 639-644
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    医療の質の向上が重視される中で, 手順の確実性が質を保証していることから, 手順の文書化が必須であり, 文書管理が確実におこなわなければならない. さらに手順の確実さの根拠として法令・通達等の外部規制文書の遵守が不可欠である. 文書管理が確実におこなわれ, 日常業務の中で有効に参照されることで, 文書はナレッジベースとして活用されることとなる. そこで, 外部文書管理に関しての国立病院機構病院での現状の問題点を調べ, 国立病院機構のイントラネットであるHOSPnet上での文書参照システムの利用状況を概観した. HOSPnet研究会がHOSPnet上に構築中のオンライン文書集を例として, ネットワークに対応した文書管理の利点・問題点, さらにナレッジベースの核の1つとしての文書データベース構築の方法について検討した.
  • 北岡 有喜
    2004 年 58 巻 11 号 p. 645-650
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    各分野の政策医療ネットワーク構築が進行中である. これらが完成すれば, その対象疾患はほぼすべての診療内容を包括することとなり, 見方を変えれば巨大な仮想全国総合病院(e-HOSPITAL JAPAN)が構築されるに至る.
    クローズドネットワークであるHOSPnetのセキュリティを最大限に活用することで, e-HOSPITAL JAPANを構築すれば, そのスケールメリットを活かした経営戦略ならびに診療支援のためのEBMが創造可能である.
    独立行政法人移行後の各国立病院・療養所を見据えて, HOSPnet研究会が主体となり, 各施設の経営的・経済的・設備的・人事的医療資源を有効活用するための情報管理に関して調査研究し, e-HOSPITAL JAPAN構築のための具体的な提言, すなわち, 縦割りされた19の政策医療ネットワークを, 横断的に有機的かつ効率的に運用するためのグランドデザインを作成すべく, e-HOSPITAL JAPAN構築時のナレッジマネジメントの方法論に関する調査研究を行った.
    具体的には, 学会・研究会などの自動受付システムの構築を実例に, フリーウエアの有効性とコストベネフィットを検討するとともに, この方法論の応用として, 「ASP型電子カルテシステムにおける手術・麻酔記録モジュールの設計とその実装」を設計・開発・実装例として示し, その有用性を証明した (2004年3月4日-6日, 電子情報通信学会第15回データ工学ワークショップ/第2回日本データベース学会年次大会にて発表. 論文は印刷中).
  • 中島 正勝
    2004 年 58 巻 11 号 p. 651-657
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    初めて遭遇する業務を遂行する場合, 実際に何を参考とするか. かなりの確率で, まずは以前の書類(書式・様式)に目を通し, 次に必要な事務的処理を行っているといった結果がでている. 本来, 正しいやり方は, 根拠(法令等)→事務手続き→定められた書式(様式)での記録・提出(報告)である. しかし, 何も知識がない場合に本来の手順によることは不可能に近い. 逆の手順を踏んでいることの善し悪しについては省略するが, このように未経験の業務遂行に於いては逆引き運用が主であると結論づけられる. この方式の弱点は根拠まで遡らずに完結してしまうことおよびルーチン業務に組み込まれていない場合はそれすらが困難だということである. しかし, これらを解決できれば国立病院機構版ナレッジベース構築の手法として提案可能であると考える.
    よって, 現在における業務上の問題点を洗い出し, そこから具体的な利用例としての電子化を前提とした様式集(逆引き辞典)を策定する.
  • 逆瀬川 裕二, 八谷 如美, 金子 清俊
    2004 年 58 巻 11 号 p. 658-660
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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