医療
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58 巻, 7 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 土井 卓子, 青木 昭子, 西山 潔
    2004 年 58 巻 7 号 p. 383-387
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    女性外来という新しい診療体制が日本では2年前に確立され, 全国に急速に普及した. 女性外来とは, 科に分けず, 総合科として女性を全体像でとらえて診療する, プライバシーを大切にしてゆっくり話を聞いて相談できる環境を整え, 治療だけでなく健康で快適な女性の生活をささえることをめざし, 同性医師の特質を活かした不快感のない診察を目的とした外来である. 現在12の国立病院、療養所をはじめとして, 都道府県, 市, 町立病院, 個人病院などでも女性外来の開設が進んでいる. さらに各病院の女性外来がネットワークを作り, 協力体制をとる動きが盛んである. 女性外来ができたことを起点として一般診療科でも医療に性差を考慮する必要があることが認識され始めた. 女性外来の現状と受診者の求めるものを検討し, 今後の問題点を考える.
  • 藤内 智, 山崎 泰宏, 藤田 結花
    2004 年 58 巻 7 号 p. 388-393
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    非結核性抗酸菌症は年々増加傾向にあるが, 感染・発病のメカニズムは未解明の点が多く残されている. 「わが国の肺非結核性抗酸菌症診断に関する見解-2003年」で示された新しい診断指針では, アメリカ胸部学会の基準と同様に気管支洗浄によって得られた検体の培養でも本症と診断するとしている. 気管支鏡検査で診断された症例は治療効果が良好な例が多いが, 喀痰による治療効果判定が困難であることが問題点として残されている. 他方陳旧性肺結核の後期合併症として発病することが多いとされてきた肺アスペルギルス感染症は従来静的疾患と捉えられていたが, しばしば肺の破壊が進行し致死的となることが明らかとなってきた. 肺アスペルギルス感染症は喀疲による診断とともに血清学的検査が参考にされることが多いが, いずれも感度は良好ではないため, 早期診断のための新たな診断法の開発が望まれている.
  • 藤兼 俊明
    2004 年 58 巻 7 号 p. 394-398
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    結核菌ゲノム中にランダムに挿入されている挿入配列IS 6110をプローブとした結核菌群の遺伝子タイピング法(restriction fragment length polymorphisum解析)が効果的な結核対策のために用いられている. 本法の応用としては, 菌株の異同からみた集団感染への対応, 検査でのcross contaminationの評価, 再発か再感染かの評価, 地域での蔓延状況の評価, などが挙げられる. 同一バンドパターンを示す集団に属する比率(クラスター形成率)は地域の結核蔓延度の指標とされ, 高蔓延国では約50%前後, 低蔓延国では約20%前後, と報告されている. 日本では, 7.7%から32%, と地域により違いが報告されている. また, 日本では, 比較的類似性の高いバンドパターンを示すグループの存在が報告されている. これらは, 過去の高い罹患率時代に感染した高齢者の患者が多い日本の結核の疫学的特徴を反映していると考えられる.
  • 水城 まさみ
    2004 年 58 巻 7 号 p. 399-407
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    あらゆる疾患の発症には環境要因と遺伝的要因が大なり小なり関わっているが, 化学物質過敏症(MCS)の発症に環境要因が大きな役割を果たしていることは間違いない. 化学物質過敏症外来を受診した患者の中で, 症状発現にあたって何らかの化学物質曝露のエピソードがある者32名にMCSのスクリーニングのために問診表QEESI(日本語版)を実施し, 環境要因となる化学物質不耐性因子と症状, 日常生活障害度との関連をみた. 化学物質不耐性因子のうち殺虫剤・除草剤, ガソリン臭, ペンキ・シンナー, 消毒剤・クリーナー, マニキュア・ヘアスプレーなどは筋, 心循環, 認識, 神経症状と強い相関がみられた. また日常生活障害については車の排気ガス, 殺虫剤・除草剤, ガソリン臭など屋外環境要因で影響が強く, MCSの発症予防のためには屋外環境要因の改善も必要であることがわかった.
  • 武藤 正樹, 遠藤 一司
    2004 年 58 巻 7 号 p. 408-409
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    医療における薬剤師の業務は, 調剤を主にしていた業務から大きく変化をしている. 薬剤師による薬物療法における医薬品の適正使用に果たす役割が期待されている. また, 病院運営の面からは, 医療の効率化や経営の効率化への貢献も求められている.
    シンポジウムでは, 全国国立病院療養所薬剤部科長協議会による「独立行政法人における薬剤部門のあり方検討会」報告について, 検討委員の立場から立石が薬剤部門の今後の方向を示した. つぎに, 医療サービス, ジェネリック医薬品の使用促進および医薬品在庫等の病院経営面からの薬剤師の取り組みについて, 長谷川が実績を含めて業務のあり方を示した. 長谷部は国立病院療養所の薬剤部門を指導してきた経緯から, 従来から取り組んできた薬剤部門の5本柱や独立行政法人化以降の業務への取り組みにっいて言及した. また, 関口は, わが国における病院薬剤師に関する教育問題や薬剤師配置問題などを含めて, これからの病院薬剤師のあるべき姿について提言した. 最後に, 医師の立場からチーム医療の一員としての病院薬剤師の現状と今後の期待される薬剤師像について述べた.
    政策医療を推進する国立病院における薬剤師は, 医療チームの一員として専門性を発揮し, 国立病院間のネットワークを活用し, 医薬品の適正使用いわゆる患者安全の確保において中心的な役割を果たしていくことが期待された.
  • 立石 正登
    2004 年 58 巻 7 号 p. 410-412
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 健次
    2004 年 58 巻 7 号 p. 413-414
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 長谷部 和久
    2004 年 58 巻 7 号 p. 415-417
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 関口 久紀
    2004 年 58 巻 7 号 p. 418-419
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―医師の立場から―
    磯部 宏
    2004 年 58 巻 7 号 p. 420-424
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―政策医療呼吸器ネットワーク九州ブロックアンケート調査―
    岩永 知秋, 高田 昇平, 東賢 次, 北原 義也, 福島 一雄, 川上 健司, 小江 俊行
    2004 年 58 巻 7 号 p. 425-430
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    今回われわれは政策医療呼吸器ネットワーク九州ブロック6施設において, 慢性呼吸不全安定期患者に対するNPPVの最近2年間の施行状況についてアンケート調査を行った. 症例は肺結核後遺症26例, COPD20例など計53例であった. NPPVの導入基準には施設問であまり差がなかったが, 設定条件には換気回数, 吸気圧(IPAP), およびその上限などに多少の差異が見られた. 中止率は平均15.5%, 中止原因としては「明らかな効果なし」や「患者の希望」が多かった. 効果判定基準の順位は自覚症状の改善, 血液ガスの改善, 増悪頻度の低下の順であり, 有効率は平均81.7%であった. 合併症はインターフェース接触部の皮膚の損傷や疼痛が多く, 症例の平均34.3%に見られた. 以上の結果から, NPPVは高二酸化炭素血症をともなう慢性呼吸不全安定期のQOLの改善に有用である可能性が示唆された.
  • 狩野 繁之
    2004 年 58 巻 7 号 p. 431-433
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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