国立病院のてんかん医療ネットワーク構成施設は安定した高水準の診療を全国最大規模の患者で行っている. 1万人を超すてんかん患者がネットワーク施設を受診している状況が明らかになっており, 今後のデータの蓄積, およびこのデータの活用により, てんかんの疫学診断・治療研究等において多くのエビデンスが集積されることが期待される.
てんかん医療ネットワーク構成施設は, てんかん患者のための詳細なデータベースフォーマットを作成し, ホスプネットを利用してこれまで5,500名のてんかん患者の情報を集めた. 今後, 難治てんかんの疫学的実態調査をはじめとして多くの研究が可能であり, またこれらの課題はてんかん医療ネットワークが責務として果たさねばならないものである.
この特集には, 本年1月に東京で行われた「てんかんネットワーを用いた難治性てんかんの疫学・臨床研究班」の平成15年度研究報告会で発表された演題から4つの演題を選定し, 演者の先生から原稿を頂いた. さらに, 藤原がてんかんネットワークの現状と展望を述べた.
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