医療
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59 巻, 10 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 朔 元則
    2005 年 59 巻 10 号 p. 529-532
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―第1報すくすくコホート三重先行研究―
    山本 初実, 玉木 淳子, 大谷 範子, 小俣 真, 盆野 元紀, 山川 紀子, 田中 滋己, 井戸 正流
    2005 年 59 巻 10 号 p. 533-538
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    独立行政法人科学技術振興機構は, 平成16年度より「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」研究を開始している. 三重県では健康福祉部・教育委員会の協力のもと, われわれが地域拠点として本研究を推進している. 本稿では, 平成16年度に行われた先行研究について報告する.
    まず, 自治体および地域の母子保健に関与する機関を中心に本研究を推進するための体制と委員会を組織した. 次に, 発達観察室を三重中央医療センター地下1階に設置した. この部屋には研究に必要な観察ブースの他に聞き取り調査コーナー, 待合コーナー, 授乳室も設置した. また, 一般市民の理解を深めるために「21世紀を担う子供の発達を探る」と題したシンポジウムを開催した. 尾鷲公開シンポジウムの一般来場者は75名, 津のそれは64名であり, 聴衆からは本研究に対する期待の声が多く寄せられた. さらに, 先行研究の一部として短期研究協力者(研究対象者として御協力頂く方)のリクルートを行った. 説明対象者は全出生の51%であり, このうち研究に同意した対象者は29%, すなわち, 全出生の15%にすぎなかった. 与えられた対象人数を確保するにはその3倍の対象に研究の説明をする必要があった. このリクルート率を向上させる方策が短期研究の最も大きな課題の一つである.
  • 青江 啓介, 藤原 慶一, 片山 英樹, 前田 忠士, 譲尾 昌太, 高尾 和志, 巻幡 清, 村上 一生, 森山 道彦, 江田 良輔, 竹 ...
    2005 年 59 巻 10 号 p. 539-542
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    国立療養所山陽病院(現独立行政法人国立病院機構山陽病院)一般病棟で死亡した肺癌患者63症例のターミナル期の症状の経過について検討した. 対象は年齢中央値71歳, 41%は当初から積極的治療は行われなかった. 主要な身体症状は食欲不振(92%), 呼吸困難(91%), 全身倦怠感(86%), 便秘(68%), 疼痛(65%), 不眠(65%), 喘鳴(57%)などであった. 食欲不振, 疼痛は死亡14日前が最頻, 呼吸困難は死亡7日前が最頻であった. 死亡当日まで約30%が呼吸困難, 疼痛を訴えていた.
  • 小原 仁, 栗原 裕子, 土肥 守
    2005 年 59 巻 10 号 p. 543-549
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, 栄養状態が血清ミネラルにおよぼす影響を明らかにする目的で実施した.
    入院中の慢性期リハビリテーション患者65例(男性37例, 女性28例, 平均年齢72.2±13.5歳)を対象として血清ミネラル(鉄, 銅, 亜鉛, カルシウム, マグネシウム, リン)と栄養指標(アルブミン, ヘモグロビン, C反応性蛋白)の関連を調査した. さらには, 対象患者を栄養状態によって, 低栄養群30例(男性17例, 女性13例, 平均年齢74.4±12.8歳)と非低栄養群35例(男性20例, 女性15例, 平均年齢70.4±13.8歳)の2群に分類して, 血清ミネラル, 栄養指標, 栄養素等摂取量を比較した.
    血清アルブミンは, 血清鉄, 亜鉛, カルシウム, マグネシウムおよびリンに対して有意な正の相関を認めた. ヘモグロビンは, 血清鉄および亜鉛に対して有意な正の相関を認めた. C反応性蛋白は, 血清銅に対して有意な正の相関, 血清鉄および亜鉛に対して有意な負の相関を認めた. ミネラルにおいては, 血清値と摂取量の間に有意な相関は認められなかった. 血清アルブミンおよびヘモグロビンは, 低栄養群は非低栄養群よりも有意に低値を示した. C反応性蛋白は, 非低栄養群は低栄養群よりも有意に低値を示した. 血清鉄, 亜鉛およびカルシウムは, 低栄養群は非低栄養群よりも有意に低値を示した. エネルギー, たんぱく質およびリン摂取量, 低栄養群は非低栄養群よりも有意に低値を示した.
    以上の結果から, 慢性期リハビリテーション患者の血清鉄, 亜鉛, カルシウムは, 低アルブミン血症や貧血の影響を受けることが認められた. また, 低栄養患者のミネラル欠乏に対しては, ミネラル摂取の増加と共に, 低栄養の改善も行う必要があることが示唆された.
  • ―骨髄ドレナージ法―
    新城 清
    2005 年 59 巻 10 号 p. 550-555
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    骨壊死, 変形性関節症の病因は, 骨粗鬆症などが誘因となり, 小さな外傷などで微小骨折をきたし, 関節に傷がつく. その傷口と関節内の靱帯付着部などが入口となり, 高い関節内圧のもと関節液が骨髄内へ浸水し, 骨髄内圧を異常に高め, 骨壊死, 浸食を招来する. そこで荷重がかかると陥没骨折をきたし, 関節面が歪になり, 2次的に関節軟骨の変性・摩耗, 関節破壊・変形へと進行するのが病因と考える. そこで, 骨髄病巣部の関節液を排除する骨髄ドレナージ法という新しい治療法を開発した. この治療は末期にも有効で, 直ちに除痛できる. 低侵襲で, 安静期間が不要である. 進行を防止し, 早期では治癒する. 関節軟骨も再生し, 関節水症・拘縮も改善する. 以上, 骨髄ドレナージ法は患者さんのQOL(生活の質)に大きく貢献できる.
  • 野崎 園子, 馬木 良文, 多田羅 勝義, 田上 恵美子, 神野 進
    2005 年 59 巻 10 号 p. 556-560
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    食道入口開大不全を有する筋ジストロフィー患者にバルーン拡張法を適用し, その効果を検討した. 対象は筋ジストロフィー8名(年齢13-62歳)全例, 嚥下造影(VF)にて食道入口開大不全による梨状窩残留を認め, 頸部可動域制限のため頸部突出法が困難な症例である. 12-14Frフォーリーカテーテルを経口的に食道入口を越えて挿入し、バルーンに2ccの空気を入れたのち、カテーテルを引き抜く方法を用いた. VF所見において, バルーン拡張法後に, 嚥下時の食道入口最大径は1.2-3.0倍に拡大を認め, 5名で咽頭通過時間が短縮, 3名で梨状窩残留量が減少していた. 摂食場面でバルーン拡張法を毎食前に1回おこなった結果, 6名で食事時間の短縮やのみこみやすさの自覚があり, 5名では咽頭残留量の減少も確認した.
    筋ジストロフィーの嚥下障害への間接訓練として確立されたものはきわめて少なく, 今後多数例での検討が必要であると考え報告した.
  • 田中 彰一, 合原 大博, 藤井 雅邦, 大田 剛由, 緒方 正敏, 村上 一郎
    2005 年 59 巻 10 号 p. 561-564
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    diversion proctocolitis (DP)は外科的な便流変更によって, 便が通過しなくなった部分に特異的に生じる腸炎である. 今回われわれはDPに対し, 治療として有効であると報告されている短鎖脂肪酸注入療法を試みた. 症例は55歳の女性. 左下腹部痛と血便を主訴に当科を受診した. S状結腸に複流式人工肛門を造設して約10年が経過していた. 大腸内視鏡検査にて, 肛門からS状結腸までの便が通過しない部分のみに, 潰瘍性大腸炎に類似したびまん性の炎症所見が観察された. DPと診断し, 短鎖脂肪酸を注入したが, 炎症の改善は認められなかった. DPの根本的な治療は再吻合術を施行し, 正常の便流に戻すことであるが, 安全に再吻合術を施行するためには, 術前に炎症の沈静化をはかる必要がある. そのためには, 短鎖脂肪酸注入以外の治療法の工夫も, 場合によっては必要になると思われる.
  • 朝野 晃, 鈴木 博義, 高橋 尚美, 早坂 篤, 藤田 信弘, 手塚 文明, 和田 裕一
    2005 年 59 巻 10 号 p. 565-568
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    子宮全摘後に発生した後腹膜由来の稀な平滑筋腫瘍であるsmooth muscle turnor of uncertain malignant potential (STUMP)の1例を経験した. 症例は71歳女性で, 下腹部腫瘤を主訴に受診し, 小骨盤から発生した1,065gの後腹膜腫瘍を摘出した. 免疫組織学的には, 平滑筋腫瘍であった. 核分裂数は5/10 HPF (high power fields)の部分を認めるが, 細胞異型に乏しく, MIB-1陽性率が5%以下でありSTUMPと診断した.
  • 大鶴 洋, 田邉 陽子, 宮尾 孝, 萬 篤憲, 福本 裕, 土器屋 卓志
    2005 年 59 巻 10 号 p. 569-571
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    症例は30歳の男性. 右側舌下面の疼痛を主訴に来院. 舌扁平上皮癌(TINO)の診断のもと, 電子線腔内照射およびイリジウム針による組織内照射を施行. その後, 再発無く経過していたが, 7年後に右側上頸部の腫瘤性病変を自覚した. 舌原発巣を含め頭頸部領域に腫瘍性病変が認められないことから, 舌癌の後発リンパ節転移を強く疑い, 保存的頸部郭清術を施行した. 病理組織診において扁平上皮癌と診断された. 舌癌頸部後発リンパ節転移の大部分は2年以内に発現するといわれているが, 本症例のような遷延性頸部リンパ節転移の可能性も念頭においた経過観察や癌登録制度などによる, より長期間にわたる経過観察が望ましいと考えられた.
  • 北村 正幸, 大楠 郁子, 岡田 良行, 野坂 俊介, 宮崎 治, 鹿島 恭子, 宮坂 実木子, 堤 義之, 岡本 礼子, 正木 英一
    2005 年 59 巻 10 号 p. 572-575
    発行日: 2005/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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