医療
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60 巻, 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 三木 一正
    2006 年 60 巻 5 号 p. 287-292
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 英彦
    2006 年 60 巻 5 号 p. 293-297
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    鼻出血, 皮膚紫斑, 歯肉出血などの出血症状を訴える患者は日常診療上多い. 出血傾向の有無の診断で注意すること, 出血傾向がある場合には鑑別診断の進め方を止血機序に基づいて解説した.
  • ―ウエイトノイズ法について―
    高橋 信雄, 佐々木 結花, 高野 智恵子, 久永 欣哉, 佐藤 智彦, 木村 格
    2006 年 60 巻 5 号 p. 298-304
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    筆者らの提案による新しい音声治療法, ウエイトノイズ法についてそのプロトコルを解説し, 適用対象, これまでに当院で得られた治療結果の概要, 今後の展望等について述べる. 本方法はロンバール効果を用いた発声訓練法で, 両耳に35-55dBのウエイトノイズを負荷して音読や復唱を行う. 当院ではこれまで脳血管障害により音声障害を呈した52例に対し本方法を適用したが, うち48例において日常会話での音声に改善が認められた. 脳血管障害例は運動機能や精神機能の低下をともなうことが多く, 発声機能の低下に対する代表的アプローチとされるプッシング法や, 努力発声を要求する方法の適用が困難な場合が多い. またマスキング法も, 負荷されるマスキングノイズの不快感のため継続的な適用は困難である. ウエイトノイズ法では患者に大きな努力を強いることがなく, 無理なく安全に訓練を導入, 継続することができ, 脳血管障害例に適用が容易であると考えられる. さらにノイズを負荷するとすぐに声量, 声質の改善が得られるため, 患者の訓練意欲を引き出すことができると考えられる. 従来の訓練方法の適用が困難であった高次脳機能障害の症例, 発声時の易疲労性のため訓練開始が困難であった一側性喉頭麻痺の症例の2症例をとりあげ, 治療結果の概要を紹介する.
  • 水城 まさみ, 山田 博之, 佐藤 正男, 安藤 貴信, 山口 一彦
    2006 年 60 巻 5 号 p. 305-310
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の診断には脳波を含めた精密な終夜ポリソムノグラフィーが重要であるが, 経済的, 人的問題で検査ができる専門施設が限られており, 早急に診断, 治療が必要な重症患者への対応が十分できていないのが現状である. 著者らは著明ないびき, 日中の高度の眠気, 家人などから明らかな睡眠中の呼吸停止を指摘されている患者に対して積極的に簡易型PSG (LS-100)を実施して診断してきた. 対象患者は男性62名(平均年齢56.4歳), 女性25名(平均年齢60.1歳)の計87名で, 簡易型PSGによる無呼吸低呼吸指数(AHI)≧30が46%であった. AHI≧20の患者についてはAHI, SPO2データ, 臨床症状の組み合わせにより診断は比較的容易にできた. 何らかの治療を導入する選択基準として, (1) AHI≧ 20あるいはAHIが5-19でも自覚症状が強い場合, (2) 無呼吸, 低呼吸に一致したSPO2の有意な低下を認める場合, (3) SPO2≧ 95%の全測定時間に対する比率が80%以下とし, これらの項目のうち1項目でも満たす場合は, 本人の希望も参考にして治療導入を決定した. 治療はAHI≧ 20以上では原則として経鼻的持続性気道陽圧呼吸(nCPAP)を導入した. 3ヵ月以上治療を継続した患者では86%で臨床症状の改善を認め, さらに治療経過中に効果判定のためにnCPAP装着下で簡易型PSGを実施した10名では, AHI, SPO2データの有意な改善効果が認められ, nCPAPのコンプライアンスデータのAHIともよい一致率が得られた. 以上より, 簡易型PSGはとくに重症のOSAS患者の早期診断と治療方針決定さらには治療効果判定において, 装置の特徴や欠点を熟知して使用すれば十分に活用できるものであり, 近年増加の著しいOSAS患者への貢献度は大きいものと考える.
  • 片平 智行, 長岡 宏一, 千代 豪昭, 金田 次弘
    2006 年 60 巻 5 号 p. 311-317
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    以前, われわれは相互転座t(4;5)(p15.1;p14.2)由来の染色体異常が多発奇形の原因となった症例を報告した. 今回はこの症例の血縁者4例の染色体解析の追加と家系構成員への聞き取り調査を行い, 正確な家系図の作成を試みた.
    染色体解析の結果, 本家系構成員の中から新たに3例の均衡型相互転座t(4;5)(p15.1;p14.2)保有者が判明した. また聞き取り調査の結果,この家系に6例の流産および死産と生後1日で死亡した児が2例あることが判明した. すなわち, この家系には正常出産でかつ臨床上の異常をともなうことなく受け継がれていく相互転座t(4;5)(p15.1;p14.2)が存在し, その上この相互転座が3世代以上にわたり保存され, 相互転座に起因した可能性が否定できない流産と死産と多発奇形が頻回におこっていた.
    本症例のような相互転座をはじめとする微細な染色体異常を検出するためには, 形態学的な染色体解析技術のみならずFISH (fluorescence in situ hybridization)法によるDNAレベルの病理診断法を組み合わせた適切な検査の施行が有効である. さらに既応歴の調査および家系図の作成が重要であることも再確認した.
  • 藤原 清宏, 江川 勝士
    2006 年 60 巻 5 号 p. 318-323
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    2004年1月から2005年10月までに当院で加療した特定疾患診断基準を満たす特発性肺線維症の症例で, 高分解能CT (high-resolution CT; HRCT)で蜂巣肺が両側下葉背側, 胸膜直下優位にみられる症例14例を対象とし, 臨床経過と経時的に測定した血清KL-6 (以下KL-6)との関連について検討した. 経時的に進行し死亡した5例において, KL-6の高値が持続したものは1例のみで, 他の2例はKL-6が下降して軽度上昇にとどまり, 別の2例では正常範囲内に下降した. KL-6が下降する症例においては, 特発性肺線維症は不活動性になっているものと考えられるが, それでも呼吸不全は進行していく群が存在することが示された.
  • 原田 正孝, 平野 真子, 野上 玲子
    2006 年 60 巻 5 号 p. 324-328
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ハンセン病に対し有効な治療がなかった頃に発病した患者や, 治療法の確立後であっても治療開始が遅れたり, 治療に抗する重度のらい反応を合併した患者では, 後遺症として顔面, 四肢の運動および知覚麻痺そして自律神経障害を残す. その結果としてさらに手足の変形拘縮が生じ, 創傷を作りやすくかつ治りにくくて難治性の皮膚潰瘍が形成されることはハンセン病施設においては周知のことである. この難治性皮膚潰瘍に対して最新の処置を記すとともに, とくに骨に対する積極的な外科的処置を行うことで, それまで難治だと諦めていた皮膚潰瘍に対し良好な結果が得られている. 本稿では当園で行っている潰瘍などに対する治療ならびに予防処置を紹介する.
  • 長尾 雅悦
    2006 年 60 巻 5 号 p. 329-334
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    軟骨無形成症achondroplasia (ACH)はfibroblast growth factor receptor 3 (FGFR-3)を病因遺伝子とする近位四肢短縮型の先天性骨系統疾患である. 本症は常染色体優性遺伝するが, FGFR3遺伝子の膜貫通ドメインに位置するG1138A変異(G380R)が約97%を占める. したがって確定診断にはX線所見と合わせた遺伝子診断がきわめて有用である. 本症の遺伝子診断に対立遺伝子特異的増幅法Amplification refractory mutation system (ARMS)を用い, 従来のPCR-RFLPやシークエンス法に比べ, 迅速かつ簡便に結果を得られた. また生後早期に致死性骨異形成症thanatophoric dysplasiaや軟骨低形成症hypochondroplasiaなど多彩な骨系統疾患を鑑別することができた. さらに家系内でのFGFR3遺伝子のSNPsを用いた多型性解析を行い, G1138A変異が父親の対立遺伝子のde novo変異であることが明らかになった.
  • 曽根 美智子, 濱田 嘉徳, 辻 正子, 長町 典夫
    2006 年 60 巻 5 号 p. 335-338
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    妊娠中の母体に抗SSA/Ro抗体, 抗SSB/La抗体が生じると胎盤を通過して胎児に移行し, 亜急性皮膚ループス様皮疹や先天性心ブロックを発症する. 中でもSSA/Ro抗原は52kd蛋白と60kd蛋白に分けられ, 抗SSA/Ro抗体52kdが陽性の場合, 児のリスクが高く, 母体の抗SSA/Ro抗体をさらに52kd蛋白と60kd蛋白に対する抗体に分けて検索することは, 影響を受ける児を出産する可能性の予測と出生前ならびに出生後の治療にきわめて重要である.
    我々は先に, 自己免疫性肝炎の母親から生まれた乳児ルポイド肝炎の1例を報告した. その後母親は第2子妊娠中の管理を受け, 健康な男児を出産した. 我々は同じ母親から生まれた2人の児に注目し, 出産後であったが了解を得て母体血を採取し, 危険因子に関わる抗SSA/Ro52ならびに抗SSA/Ro60抗体を測定した.
    その結果, 母体の抗SSA/Ro60抗体は陰性であったが, 抗SSA/Ro52抗体が陽性(124.26)であり, 児のリスクが高い症例であったことが判明した. 健康な第2子を出生し得たのは胎児期18, 20, 21, 22, 23および24週に注意深い超音波画像診断が行われ, ステロイド療法により管理されたためと考えられた.
  • ―腎疾患のチェックポイント―
    岩下 浮明, 上條 敏夫, 武 山茂, 山口 秀樹, 高須賀 康宣, 中島 哲, 水島 美津子
    2006 年 60 巻 5 号 p. 339-343
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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