日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 2434-5237
Print ISSN : 2434-5229
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原著
  • 藤原 恵利子, 三川 隆, 二瓶 博義, 遠藤 成朗, 鈴木 真言, 長谷川 美幸, 矢口 貴志, 木村 雅友
    2019 年 60 巻 4 号 p. 77-84
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー
    侵襲性コニディオボルス症は致死率の高い新興真菌症として注目されている.ホルマリン固定パラフィン(FFPE)組織切片上でコニディオボルス症起因菌(Conidiobolus sp.)をムーコル症起因菌(Rhizopus microsporus)およびアスペルギルス症起因菌(Aspergillus fumigatus)から判別する手法の確立を目的とし,各症例のFFPE組織切片を用いて18S rRNAを標的としたin situ hybridization(ISH)法について検討した.18S rRNAの中でも特に変異に富んだV4領域の可変領域に着目し,Conidiobolus sp. , R. microsporus およびA. fumigatus のそれぞれの培養株についてコンセンサスプライマーを用いて相互に塩基数および配列位置の異なる3つずつのアンチセンスプローブ(プローブA,BおよびC)を作製し,ISHを行った.その結果,相互に相同性が60%以下となるそれぞれのプローブC(Conidiobolus sp.189 b,R. microsporus 155 bおよびA. fumigatus 154 b)を用い,ストリンジェンシーの条件を最適化することによりコニディオボルス症起因菌(Conidiobolus sp.),ムーコル症起因菌(R. microsporus)およびアスペルギルス症起因菌(A. fumigatus)を高感度に判別することができた.これらの起因菌をFFPE組織切片上で迅速かつ確実に検出,同定することが可能となり,真菌症治療戦略に大きく寄与することが期待される.
総説
  • 加納 塁
    2019 年 60 巻 4 号 p. 85-88
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー
    動物の真菌症の多くは人獣共通感染症であるため,動物に抗真菌薬耐性感染株が蔓延すると,人へ容易に感染が拡大する危険性が高いと予想される.われわれは,初めて北京の皮膚糸状菌症の猫からからテルビナフィン (TRBF) 耐性Microsporum canis の分離をした.この株は,TRBFに対する最小発育阻止濃度 (MIC) は,>16 μg/mLで,イトラコナゾール (ITCZ) に対するMICは,0.023 μg/mLであったことから,TRBFに対して耐性でITCZについては感受性を示した.このTRBF耐性株および感受性株において,ABCトランスポーター遺伝子発現 (pleiotropic drug resistance [PDR1],multidrug resistance protein [MDR1],MDR2MDR4) についてリアルタイムPCRで発現量を解析したところ,耐性株は感受性株よりも2~4倍発現量が増加することが確認された.
    つぎにマラセチア症の飼い犬からアゾール系抗真菌剤耐性株を分離した.この株に対する微量液体希釈法による感受性試験では,ITCZに対するMIC値が320 μg/mlであった.またE-Testにおいても,ITCZに対するMIC値が >32 μg/mlで,ケトコナゾール (KTCZ) に対しても >32 μg/mlと,アゾール系抗真菌剤に対して強い耐性を示した.アゾール系抗真菌剤の標的酵素である,lanosterol 14-alpha demethylaseの保存遺伝子であるERG11 について,本耐性株のシーケンスを解析した.その結果,推定されるアミノ酸配列で,138アミノ酸残基目でメチオニンからバリンへ,302アミノ酸残基目でバリンからアラニンへの変異が認められた.
シリーズ用語解説
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