皮膚科医にとって医真菌学はきわめてアプローチしやすい研究分野である.皮膚の病原菌として知られる限られた菌種の基礎的知識,光学顕微鏡と真菌培養の技術だけで,皮膚科の臨床能力が高まると同時に,菌株があることで専門家へのアクセスが可能になり,また自身も専門家へのステップを登り始めることができる.このように門戸が広いこと,かつ研究と臨床が近接していることは皮膚科領域の研究分野のなかで特筆すべきであろう.本稿では
Sporothrix属真菌と
Trichophyton tonsuransを例に著者の研究を紹介したが,皮膚真菌症については未解決の疑問も多い.若手の皮膚科医には新たな方法を工夫しつつこの分野で大いに活躍してもらいたい.
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