日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 2434-5237
Print ISSN : 2434-5229
67 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
総説
  • ―カイコ感染モデルを用いたin vivoにおけるアゾール薬との併用効果の検証―
    馬嶋 秀考
    2026 年67 巻2 号 p. 37-39
    発行日: 2026/04/30
    公開日: 2026/05/31
    ジャーナル フリー
     Aspergillus fumigatus のアゾール耐性株の増加をうけ,新たな治療戦略の必要性が高まっている.脂質異常症治療薬であるスタチンはin vitroで抗真菌作用を有すると報告されている.そこで我々はA. fumigatus のカイコ感染モデルを用いて,itraconazole(ITCZ)+ pitavastatin(PIT)の併用療法について検証し,in vivo の効果について報告した.同研究では,生存評価,病理学的評価,qPCR による体内菌量評価の複数の方法により,併用療法の有効性を確認することができた.多くのスタチンと比較し,PIT は薬剤相互作用が少ないとされ,PIT とITCZ の併用療法はアゾール耐性克服に向けた治療法として,有望な選択肢となる可能性がある.本稿では同研究の概略について述べさせていただく.
  • 2024年の疫学調査結果を加えて
    加納 塁
    2026 年67 巻2 号 p. 41-44
    発行日: 2026/04/30
    公開日: 2026/05/31
    ジャーナル フリー
     2020年から国内の複数病院に受診した白癬患者から分離された皮膚糸状菌について,テルビナフィン(TBF)耐性株の疫学調査を実施している.白癬患者(1,019例)から1,019株を分離した.分離部位の多い順から足白癬(62.4%),爪白癬(13.4%),体部白癬(15%),股部白癬(7.3%),手白癬(1.6%),顔白癬(0.2%),頭部白癬(0.1%)であった.分離菌種として,Trichophyton rubrum(62.4%),Trichophyton interdigitale(37.4%)そしてTrichophyton indotineae(0.2%)であった.
     26株がTBFに耐性を示し,全株にスクワレンエポキシダーゼ(SQLE)遺伝子変異が認められた.またTBF耐性株分離後の治療は,アゾール系抗真菌薬の内服・外用で改善・治癒したが85%,SQLE阻害薬(薬剤自体は別に変更)の外用で改善したが3.8%,治療不明が8.7%であった.アゾール系抗真菌薬に切り替えると改善・治癒したことが確認された.TBF耐性株の割合として2020年(2.3%),2022年(1.4%),2023年(3.2%),2024年(3.3%)と増加傾向にあって,2022年からT. rubrumに加えてT. interdigitaleの耐性株も分離されるようになった.さらに,in vitroでTBF耐性T. rubrum株を作成し,そのゲノムシーケンスによる耐性機構の検索を行った.
報告
feedback
Top