日本画像学会誌
Online ISSN : 1880-4675
Print ISSN : 1344-4425
ISSN-L : 1344-4425
42 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
論文
  • 平原 修三, 飯田 敦子, 額田 秀記, 真常 泰, 細矢 雅弘
    2003 年 42 巻 2 号 p. 112-117
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/07/01
    ジャーナル フリー
    シアリング転写は,感光体上に順次,多重,現像された液体カラートナー画像を,ずり応力を加える作用により中間転写媒体上へ移動させる.この方法により,安定に高画質画像を出力する液体カラートナー電子写真が実現した.
     この転写技術のメカニズムは既に発表している.しかし,なぜ液体トナーが適度に湿った状態であるときに最良の性能を発揮し,乾燥が不充分の状態や,逆に乾燥しすぎた状態では性能が低下するのかということを説明できなかった.そこで現象の解析を行なった.その結果,この現象は,トナー粒子間の凝集力とトナー中の液体含有量とシアリング転写性能の全てに関係する液体ブリッジ形成の効果であることが分かった.
  • 松井 利一
    2003 年 42 巻 2 号 p. 118-127
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/07/01
    ジャーナル フリー
    協調視覚モデルを用いた新しい客観的画像ノイズ評価法が提案される.協調視覚モデルは視知覚応答の動的変化特性をシミュレートするのに適したモデルであり,客観評価には,画像ノイズに対する本モデルの応答出力から構成された評価尺度が用いられる.本提案評価法の有効性を検証する為に,均一濃度パッチ画像に対するディジタルカラー複写機出力画像のノイズ評価に適用し,以下の結果が得られた.(1)協調視覚モデルの応答特性から,画像ノイズに対する視覚系の応答・知覚状態(ノイズ知覚)が視点位置に依存してどの様に変化するかが理論的に予測できる.(2)協調視覚モデルからの応答出力である評価関数値の対数2乗誤差と主観評価値の間の相関係数が絶対値で0.96以上となり,両者は良い対応関係を示す.以上の結果は,本提案手法が客観的画像ノイズ評価法として有効であり,主観評価時に生じる視知覚応答特性が本評価尺度に適切に反映されていることを示唆している.
  • 門永 雅史
    2003 年 42 巻 2 号 p. 128-135
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/07/01
    ジャーナル フリー
    中間転写ベルトシステムでの1次転写部の転写電界を,放電,抵抗,移流の影響を考慮して求める電界シミュレーションプログラムを開発した.一般座標上で感光体やベルトの移動を考慮しながら,ポアソン方程式とオームの法則を計算し,電位分布を計算する.さらにパッシェンの法則から放電によって感光体,ベルトへ移動する電荷を算出することで,より精度の高い転写電界が計算可能となった.ベルト抵抗を実験結果とあわせこむことによって,実験結果を再現可能であり,定量性のある解析が可能である.実験では観察が困難な放電場所,転写ニップ入口,ニップ中,出口での放電量,転写電界分布が算出可能であり,実験結果の解析や方向性提示に非常に有力と思われる.
Imaging Today
『ここまで見える最近の顕微鏡技術』
feedback
Top