本研究は,電子画像記録の記録媒体として普及している高密度書換え形光ディスクの信頼性寿命を評価し,環境信頼性に対する標準測定手法を確立することを目的としている.本論文では,高密度相変化光ディスクを用いて,加速試験による環境温度,相対湿度 (RH)のストレス条件が光ディスクのアーカイバル期待寿命推定に与える影響を評価した.
寿命評価には,指標として光ディスク再生信号のバイトエラー率 (BER: Byte Error Rate)を用い,光ディスクの任意領域のBER評価が可能な専用測定系を構築した.実験結果より,加速試験でのストレス値の増加に伴い,BER劣化が加速されること,温度ストレスに加え,湿度ストレスもBER劣化に大きな影響を与えることを明らかした.これにより,期待寿命推定には環境温度と相対湿度のストレス条件を同時に考慮したアイリングモデルによる解析が必要であることを確認した.
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