本稿では,人間が画像などのマルチメディア情報を受容し,解釈し,生成し,外界に働きかける過程を,物理・生理・心理・認知的な知覚の階層間の対応関係として工学的にモデル化する方法論とその情報提供サービスへの応用について論じる.このモデル化により,利用者一人一人によって異なる感性,すなわち,情報の主観的な判断規準に適応できる感性的な情報提供サービスを構築できる.
本稿では,感性の各レベルに対応したモデルによって,画像特徴量を利用した例示検索,主観的な基準を模擬した類似検索,主観的なイメージ語による感性検索の内容検索の実現法を紹介する.また,応用例として,複数のデザイナーと顧客が共同作業的にデザインを進めるデザイン支援システムの試みを紹介する.
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