日本画像学会誌
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48 巻, 6 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
原著論文
  • 飯村 貴司, 阿部 修実, 小口 寿彦
    2009 年 48 巻 6 号 p. 462-469
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    コアセルベーションプロセスにより,球形の正帯電性アクリル微粒子 (Acコア)の表面に負帯電性のスチレン-アクリル酸共重合体(St-Ac)超微粒子あるいはSt-Acで覆われたスチレン-ブチルアクリレート(St-BA)超微粒子を被覆した表面改質粒子を作製し,超微粒子の被覆構造を電子顕微鏡(SEM)観察および,フェライト粒子(キャリアM:基準摩擦相手粒子) との間に生ずる摩擦帯電量q/mから解析した.
    SEM観察から,Acコア表面にはSt-AcおよびSt-BA超微粒子による均一な被覆膜が形成されていることを確認した.q/mから,超微粒子はコアに負帯電性を付与し,コア表面への被覆率が増加するに伴って負帯電が連続的に増加することを確認した.超微粒子の種類,超微粒子の表面被覆量,キャリアMとの混合時間を変えた粒子のSEM観察,およびq/m測定結果から,改質表面における超微粒子の被覆状態,被覆強度あるいは被覆構造が解析できることを述べた.
  • 中川 靖子, 廣島 進
    2009 年 48 巻 6 号 p. 470-476
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    トナー構成材料の三次元的な分散状態はトナー性能に大きく影響する.そこで,材料分散の状態を三次元的に観察する3つの手法を提案する.特に,超高圧電子顕微鏡を用いる新規観察手法は,非破壊でトナー粒子の内部構造を観察することができるため,トナー構成材料の分散状態を正確に観察することが可能であることが示された.
Imaging Today
  • 山田 誠, 大塚 秀一
    2009 年 48 巻 6 号 p. 478-484
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    銀塩写真材料は,高画質・高感度・低コストとういう目標に向けて着実に進化を重ね,材料としての性能を極限まで高めつつ今日に至っている.さらに,撮影の簡易化・自動化やラボ処理の生産性向上等を通じたインフラ整備により,写真撮影を一般大衆にとって身近なものにすることに成功した.近年,デジタル技術の台頭により様々な画像入出力機器が出現しているが,銀塩写真が築いてきたインフラやサービスはそのまま活用可能であり,銀塩写真開発で培われたノウハウは様々なデジタル機器に活用されている.銀塩写真で築かれた画像技術・サービスインフラは,デジタル技術と融合した更なる進化を継続し,今後も写真文化の発展に貢献し続けていく.
  • 角谷 繁明
    2009 年 48 巻 6 号 p. 485-493
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    1990年代前半には,銀塩写真とは比較にならないレベルの画質しかもたなかったインクジェットプリンタだが,ここ十数年間の画質向上はめざましいものがあり,近年ではついに銀塩写真に追いついたといってもよいレベルに達している.
    本稿ではインクジェットプリンタが銀塩写真画質に追いつき,追い越すことを目標に高画質化してきた過程について,ヘッド,インク,メディア,画像処理などの要素技術を中心に解説する.
  • 篠原 浩一郎
    2009 年 48 巻 6 号 p. 494-500
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    近年の電子写真による印刷物の画質改善は目を見張るものがある.一方,デジタル化にともない「シャッターを押す」回数もまた劇的な増加を見せている.言い換えれば市場の変動にともない電子写真複合機 (Multi functional printer : MFP) での写真出力機会が増加していることにほかならない.
    本稿では電子写真によるフォト出力の有用性と実現への課題,さらに解題解決のための冷却剥離技術の実現に関して解説している.将来は未知数であるが新しい技術と市場の息吹を感じていただきたい.
  • 吉田 和哉
    2009 年 48 巻 6 号 p. 501-507
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    近年,昇華転写記録システムは,銀塩システムに匹敵する高品質な画像を出力することが可能なことから,デジタル写真を出力する便利な方法として認知されてきた.
    銀塩と同様に“フォト出力”として市場で幅広く使用されるためには,更なるメディアの高画質化,高耐久性化,また,高速プリントシステムが必要となっている.本稿では,マーケットから求められている高速プリント適性,画質及び耐久性の向上について,我々が取り組んでいる材料技術動向を紹介する.
  • 寺尾 博年
    2009 年 48 巻 6 号 p. 508-512
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    Zink (ゼロインク) 技術は1パスフルカラーダイレクトサーマル記録が可能な技術である.Zink用紙はフルカラー記録のため多層構造となっており,プリンタを設計するには用紙深さ方向の温度分布を知る必要がある.そのために3次元の解析モデルを検討し,用紙深さ方向の温度分布と印刷の関係を明らかにした.また,この解析技術によってサーマルヘッドの構造を検討しヒーター形状を決定した.本稿では,Zink用紙ならびに記録方法を述べ,3次元解析技術を用いたサーマルヘッド構造検討結果,及びZinkプリンタの構造と今後の展開について述べる.
  • 荒井 隆夫
    2009 年 48 巻 6 号 p. 513-518
    発行日: 2009/12/10
    公開日: 2009/12/13
    ジャーナル フリー
    色再現性や保存性に優れた銀塩写真は,写真出力の代名詞として長く親しまれてきた.一方で,近年,デジタルプロセスが急速に進歩し,インクジェット方式,電子写真方式,熱転写方式などのデジタルプリンタの高画質化が進み,銀塩写真の領域に迫り,『デジタルプリント』の市場が形成された.本編では,実績がある銀塩写真と進歩著しいデジタル写真に関して,出力メディアの観点で比較を行い,実力を探る.
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