日本画像学会誌
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53 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著論文
  • 田中 一徳, 西浦 美都子
    2014 年 53 巻 2 号 p. 112-117
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/04/13
    ジャーナル フリー
    色差ΔE*ab (CIE1976) は色によってその数値と視覚的な印象が一致しないことが知られている.この問題に対し,CIEでは現在CIEDE2000色差式を推奨しており,数値と視覚的な印象との一致がよいため近年産業界で利用されつつある.しかしこの色差式はマンセルN5を背景として色差評価を行った結果をもとに開発されているため,印刷物のような白紙背景での利用には適さない.そこで本研究では印刷物での利用を考え,普通紙白紙を背景とした許容色差式を開発することを目的とした.実験は色の三属性である明度・彩度・色相をそれぞれの方向に色を変調させたときの色差評価を行い,その結果に基づいて色差式を導出した.また,導出した色差式とCIEDE2000との性能確認を行ったので,それについて報告する.
Imaging Today
  • 山口 修一
    2014 年 53 巻 2 号 p. 119-127
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/04/13
    ジャーナル フリー
    日本国内において,昨年来3Dプリンタが話題となっているが,本稿では3Dプリンティング技術発展の歴史に触れた上で,現在主流となっている代表的な3Dプリンティングの方式について原理や特徴を解説すると共に,各方式の造形物の適用分野について紹介する.続いて特にこれらの方式の中で,文字や画像の印刷技術として発展してきたインクジェット方式を取り上げ,2次元の印刷とは異なる3次元造形における技術的なポイントについて解説する.次に現状の課題について整理した上で,今後の技術開発の方向性について述べ,最後に日本のものづくりへの活用方法や日本としての取り組み方について述べる.日本は得意なインクジェット技術に集中して研究開発を行い,企業の垣根を越え総力を結集して,3Dプリンタ3.0の時代に向かっていくべきであると考える.
  • 大谷 幸利
    2014 年 53 巻 2 号 p. 128-135
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/04/13
    ジャーナル フリー
    近年,3Dプリンティングを中心とした新たな3次元技術の開発が注目されている.ここでは,3次元座標データが求められているが,一般にコンピュータ内でデータを扱うCADやCGに対して,人体など医療やクレーモデルなど工業製品などの分野では,3次元座標のデータ入力が求められている.画像による3次元形状測定法は,非接触かつ非破壊で物体形状を測定できる手法として産業界を中心に研究開発が進められてきた.本解説では,これらの代表的な手法として共焦点法 (フォーカス法),三角測量法,光切断法,ステレオ法,格子パターン投影法およびタイム・オブ・フライト法 (TOF) に焦点をあて原理をレビューするとともに今後の展望について述べる.
  • 町田 聡
    2014 年 53 巻 2 号 p. 136-141
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/04/13
    ジャーナル フリー
    プロジェクションマッピングはプロジェクタにより映像を投影する表現技術の一つであるが,その投影先は四角いスクリーンではなく,立体的な“もの”や,建築物,ときには自然の樹木や動く人などのこともある.技術的には従来からある3DCG技術と画像処理技術,それに投影技術を複合的に組み合わせることで,目的の表現を生み出している.本稿では,プロジェクションマッピングと従来技術との関係及び,3Dプリンタを用いた新しいワークフローについてその概要を解説する.
  • 斎藤 隆文
    2014 年 53 巻 2 号 p. 142-146
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/04/13
    ジャーナル フリー
    3Dプリンタの普及に伴い,CG分野においても,既存のCG技術や方法論の援用により,3Dプリンティングの効率化や新しい応用の開拓を図る試みが数多く行われている.本講演では,最近4年以内にCG分野のトップカンファレンスであるACM SIGGRAPH (Association for Computing Machinery, Specical Interest Group on Computer Graphics),SIGGRAPH Asiaで発表された研究論文を中心に,その研究動向を紹介する.
    3Dプリンティングの効率化に関しては,形状の最適化,強度の向上などの研究例が挙げられる.新しい応用の開拓に関しては,様々な実体形状生成が容易になったことによる応用例,所望の変形や動きを実現する実体形状の生成例,光学特性を制御した実体形状の生成例,に大別される.
    また,これに関連した筆者の取り組みとして,視点位置によって4つの異なる絵柄が見えるレリーフ形状の生成例を紹介する.
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