電子ビームをプローブとして用いる静電潜像計測装置に,真空内で露光可能なレーザー走査光学ユニット (LSU) を開発して搭載し,動的レーザービーム露光による潜像形成及び潜像計測を可能とした.LSUは,ポリゴンミラーおよびこれを回転駆動するポリゴンモータ起因の振動や電磁場ノイズが電子ビームの軌道に影響を与えないように,電子ビーム軌道位置から遠ざけて真空チャンバの外に配置した.また,半導体レーザー (LD) のバイアス電流に伴うオフセット発光を遮光するためにシャッタ機能を搭載することで,所望の静電潜像形成を可能とした.光源を2チャンネル使用したツインビームとすることで,副走査方向に最大2ライン分任意の画像パターンを形成することが可能となっている.実際の電子写真プロセスで起こりうるLDパワー,サイドローブ強度,書込開始位置ずれ,ドットパターンといった走査時の書込条件をパラメータとして様々な静電潜像の解析を行った.サイドローブ強度が1/e
2以下でも潜像として可視化されることや,孤立ドットと繰り返しドットで潜像の大きさに差異が見られることなど新たな知見を得た.
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