日本画像学会誌
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57 巻 , 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
巻頭言
論文
  • 高橋 茂樹, 吉川 貴裕
    2018 年 57 巻 4 号 p. 385-396
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    インクジェット印刷方式は,ライン型プリントヘッドの躍進により幅広印刷,高密度化と連続生産性を強みとし,商業,帳票,最近では包装ラベル·パッケージにも用途を広げている.このように印刷物の高画質·高速化が進んでいるなかで,インクに対する要求特性も高くなっている.本研究より,O/W乳化重合エマルションを含有するインク性能は,エマルション自体の特性に大きく依存することがわかった.乳化エマルション含有インクを紙へ印字した後の画像濃度は,インク中の乳化エマルション量,即ち液滴中の粒子数 (固形分) が多いと,また,粒子径が大きくなると低下し,Tgが高いと高くなることがわかった.さらに,紙との相互作用を表すインク滴の広がり面積と光沢度の積が,画像濃度を予測する新たな指標となることがわかった.耐擦性はエマルションの成膜性が良いと向上し,乳化エマルションの添加量とポリマーのガラス転移点が成膜性に関係するものと考えられる.定着性については,乳化エマルションがカーボンブラック量よりも同じ,または多くなると紙に着弾したポリマーの絡み合いが増し,定着性が高まることがわかった.

  • 豊田 祐司, 水谷 秀次
    2018 年 57 巻 4 号 p. 397-402
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    レーザープリンター·MFPの光偏向器にはポリゴンモーターが用いられている.MEMSアクチュエーターは長くその代替品として検討されているが,実機搭載は少なく,またモノクロ機に限定され,カラープリンター·MFPに対しては搭載例がない.その理由の一つとして,揺動動作に起因したビーム径変化特性が重要な課題であるためである.そこで,発光制御を用いてのビーム径変化補償に取り組んだため,これを報告する.

  • 工藤 力, 岩田 基, 岩村 雅一, 黄瀬 浩一
    2018 年 57 巻 4 号 p. 403-412
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    商標審査とは,外観や概念などの観点から,申請商標と類似した商標が登録商標内にないかを確認する作業である.現状では,人がキーワード検索を用いて,比較する登録商標を絞り込み,目視により類似性を評価しているが,労力がかかる上に,類似商標の検索漏れが避けられないという問題がある.特に,様々な類似性の中でも外観の類似は最も基本的で多数の事例を有するため,これを対象として類似商標を自動的に検索できれば,上記問題を解決する大きな一歩となる.このとき最も意識すべき点は,検索漏れを少なくした上で,いかに非類似商標の出力を抑えるかという点にある.また同時に検索にかかる計算量も少なくしなければ,実用に適さない.本論文では,特定物体認識で用いられる画像照合の手法を導入してこの問題の解決を図る.具体的には,局所特徴を用いた画像照合,局所特徴の配置などの情報を用いた検証処理の2処理である.商標検索実験を行った結果,recall 100%,precision 62.5%,処理時間8.2秒という結果を得,商標審査官の労力を軽減できることが示された.

  • 角谷 繁明, 山﨑 郷志, 宇都宮 光平
    2018 年 57 巻 4 号 p. 413-421
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    インクジェットプリンタでは,ヘッドの往復走査に起因する着弾位置ずれは大幅な粒状性劣化を引き起こし,製品の平均画質を低下させる上に,機体間のばらつきを大きくする最大要因となっていた.本研究では往復走査時の着弾位置ずれが避けられないことを前提に,ずれ発生時の粒状性劣化を最小限に抑える新しい概念のハーフトーン技術の開発をめざした結果,往走査で形成されるドット群と復走査で形成されるドット群それぞれの分散性を良好に保つことで,ずれ発生時の粒状性劣化が大幅に抑えられることを発見し,往復走査時の粒状性劣化がほとんどない,ロバスト性に優れたハーフトーン技術の開発に成功した.さらに1回のヘッド走査ごとのドット分散性を改善することで,インクのにじみを低減し,高速化にともなうにじみむらの発生を抑制できることを示した.

速報
  • 今野 和彦
    2018 年 57 巻 4 号 p. 422-425
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル 認証あり

    本論文では,超音波振動の観測から薄い金属やプラスチック等の薄い試料の形状や欠陥を評価する方法として,圧電振動子を定電圧駆動する方法および光学的に非接触で振動速度を測定する手法を用いて振動速度情報の検出からイメージングを行う方法について述べている.最初に圧電振動子の等価回路解析から圧電振動子を定電圧かつ共振周期を持つ矩形波電圧で駆動する方法について述べた.この方法は,圧電振動子の機械的な残留振動 (リンギング) を押さえることができ,しかも既報3)に比べ駆動効率が20dB以上向上した.この駆動法を用いて圧電振動子を駆動し,振動子面上に置いたエッチングされた金属薄板のイメージングを行った.イメージングは振動速度の時間差を用いた方法について行った.この結果,数十μmレベルの厚さの差がイメージでき,電子回路基板等の薄い板状の試料の欠陥やイメージングに適用できる可能性を明らかにした.

学会創立60周年記念特集
懸賞論文
画像技術の将来展望と抱負
Imaging Today
  • 一杉 潤, 小川 禎史, 大渕 哲也, 三國谷 健太郎, 鷺森 悠樹, 植松 勇一郎
    2018 年 57 巻 4 号 p. 439-444
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    RICOH Pro C7210S/C7200Sは,前身モデルPro C7110S/C7100Sを発展的に受け継ぎ,リコープロダクションプリンタのラインナップを強化,印刷物の多品種小ロット化·短納期化をはじめ,多種多彩な印刷用紙の使用やスペシャルカラーによる装飾効果·表現力の向上など,急速に多様化するPOD市場のニーズ·領域に対応したデジタルフルカラープリンタである.主な特徴を以下に示す.

    1) 高生産性:カラー/モノクロともに毎分95枚 (C7210S) /85枚 (C7200S) の出力

    2) 高画質安定化:主走査/副走査濃度偏差補正技術

    3) 画像位置精度:主走査レジスト調整,IQCTによるリアルタイム表裏見当調整

    4) 高付加価値印刷:スペシャルカラーラインナップ拡充,白トナー先刷り機構

  • 日比野 勝, 太田 光弘
    2018 年 57 巻 4 号 p. 445-449
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    imagePRESS C10000VPは,2015年に発売された100枚/分 (A4換算) のプリント速度をもつ乾式電子写真方式のデジタルプロダクションプリンティングシステムである.

    2007年にimagePRESS C7000VPを市場に投入して以来,POD (Print on Demand) 市場にて求められるレベルの,画質,生産性,信頼性等の基本性能向上だけでなく,幅広い用紙対応やお客様のトータルでの生産性向上に向けた対応も行ってきた.

    本稿では,商品概要の説明とともに,C10000VPを支える高画質化技術,高機能化技術について,主な搭載技術を事例にして紹介する.

  • 高橋 賢, 佐藤 修二, 飯塚 章洋
    2018 年 57 巻 4 号 p. 450-455
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    近年,印刷市場において光輝性を有するメタリック印刷は,印象的かつ多彩な表現力を持つことからグリーティングカードや本の表紙,ラベル·パッケージなど様々なアプリケーションに活用されている.

    富士ゼロックスでは,省エネ性能に優れたEA-Ecoトナーの低温定着特性を維持しつつ,高い光輝性を有するゴールドトナーとシルバートナーを開発し,プロダクションカラープリンティング市場向け商品「Color 1000i Press (カラー1000アイプレス)」の特殊トナーとして採用した.

    従来の混練粉砕トナー製法でゴールドトナーとシルバートナーを作製すると,トナー内部の光輝性顔料の配向がバラバラで不均一なトナーしか作製することができなかった.また,トナー内部から光輝性顔料が露出してしまい,電荷が漏えいして帯電不良や転写不良による画質欠陥が発生し,ゼログラフィーシステムへの適用が困難であった.

    そこで,富士ゼロックスでは,EAトナー製法の応用により,扁平な光輝性顔料をトナー内部に均一に配向させると同時に,光輝性顔料のトナー表面露出を抑制した扁平形状のトナーを開発した.これにより,トナーに要求される基本性能とメタリック印刷を可能とする性能を達成し,ゼログラフィーシステムへの適用を可能とした.

    本稿では新開発のゴールドトナーとシルバートナーについて詳細に解説する.

  • 水谷 敏幸, 平本 健一郎, 高林 敏行, 菅谷 豊明
    2018 年 57 巻 4 号 p. 456-461
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    近年,IT技術の普及や環境意識の高まりにより,商業印刷分野を取り巻く環境は変化している.この変化に対応し,商業印刷分野に参入すべく我々はデジタルインクジェットプレスAccurioJet KM-1を開発した.

    我々は商業印刷分野に参入するための必達項目として①オフセット印刷機相当のメディア搬送安定性,②オフセット印刷機で用いられているメディアを包含する用紙適性,③既存の後加工機との連携,④両面印刷を含む商業印刷に適した高い生産性,⑤オフセット印刷機相当の高画質,高信頼性の5つの項目を掲げ取り組んできた.

    本稿では,このAccurioJet KM-1に搭載された技術の中から,高い生産性で且つ高画質を実現できる新規UV硬化型IJインクとそれを使いこなす画像処理技術について解説する.

  • 伊東 隆雅
    2018 年 57 巻 4 号 p. 462-469
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/13
    ジャーナル フリー

    IJプリント技術は急速な進歩により写真並の高画質を実現し,印字速度も格段に向上した.それに伴いIJ写真用紙に求められる品質も変化している.近年,弊社IJ写真用紙の商品開発の傾向は大きく2つに分類される.1つ目はプリンタ技術の進歩に追随していくため,インク吸収性,印字濃度などの主要品質の向上を目指した商品開発.2つ目は従来にない特徴をコンセプトに挙げた商品開発.写真家やクリエーターの方からは表現力豊かな画像を正確に再現できるIJ写真用紙が求められている.そこで弊社では写真の柔らかさ,調子,奥行き感やなめらかさなどを再現するため,手触りや風合いなど五感に訴える特徴を有するIJ写真用紙の開発を目指している.本稿では,弊社の主要品質と弊社が開発した特徴ある商品を紹介する.

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