日本画像学会誌
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最新号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
論文
  • 工藤 力, 岩田 基, 岩村 雅一, 黄瀬 浩一
    2019 年 58 巻 3 号 p. 274-283
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    年々増加する商標の登録作業を効率化するため,類似商標検索が求められている.従来の検索手法は,外観の類似性を図形の形状の類似性からのみ評価するものが大半である.ところが,商標審査官の類似性判断では,形状の類似性だけではなく,商標に描かれている図形要素の分類も加味されることが多い.本研究では,この機能の実現のため,商標の図形分類指標であるウィーン分類に着目する.2枚の商標に同じウィーン分類コードが付いていれば,それらは同じ分類の図形を含むため,類似している可能性が高い.つまりウィーン分類コードの照合で,図形の分類を同じくする類似商標を検索できると言える.この場合,検索質問の商標へのウィーン分類コードの付与が必須である.現在ウィーン分類コードの付与は,専門家が知識と経験則をもって行っている.そのスキルをDeep Learningを用いて学習することで,我々は自動でウィーン分類コードを付与し,検索できる手法を提案する.本手法は,従来のウィーン分類を用いない手法と比べて3ポイント検索精度が向上した.

  • 雲梯 隆夫, 永瀬 隆, 内藤 裕義
    2019 年 58 巻 3 号 p. 284-291
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    エレクトロウェティング (Electrowetting:EW) は一般的には2液を用いて非極性オイルと電解液で構成されているが,極性を示すカイラルネマティック液晶を用いてEWの特性評価を行う.バンクで囲まれたEW-Cellは画素基板の表面は撥水層で覆われ,画素内はオイルと電解液で満たされている.電圧印加でオイルは弓型に変形しオイルの接触角が大きくなり画素が開く.様々な大きさの画素を作製し,画素の大きさと画素開口割合,および画素が開く電圧の関係を調べ,最適化されたEW-Cellを作製し光学特性評価を行った.EW-Cellは電圧印加すると画素の開き方は急峻な増加の後なだらかな増加を示し,画素サイズが小さくなると画素が開き始める電圧が高くなる特長を持つ.また電圧除去後大きな画素では閉じない画素が生じる場合があり,計算により説明できることを示した.あわせて,画素設計指針を示した.

Imaging Today
  • 廣瀬 通孝
    2019 年 58 巻 3 号 p. 293-299
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    第2世代を迎えたと言われているVR技術について,具体的に紹介する.今日に至るまでの技術的進歩について軽く触れた上で,VR技術の主要な応用先である教育,訓練の分野について,VRならではの効用について紹介する.

  • 千葉 慎二
    2019 年 58 巻 3 号 p. 300-305
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    Microsoft HoloLensはユーザー周囲の物理空間をデバイスに取り込む.取り込んだ情報に仮想オブジェクトを加え再構成しユーザーに提示することでMRを実現する.ユーザーはこの体験を通じて現実と仮想が融合したかのように感じる.HoloLensはHMD型の一般的なスタンドアロンPCであるが,仮想オブジェクトをホログラムとして安定的に描写するためのHPUと高密度ディスプレイが搭載されている.HoloLensの大きな特徴はホログラムがその場に留まる表現を高精度で行えることにある.これはジャイロとユーザーがHoloLensを使用しているあいだ常に周囲の3Dマップを生成し自己位置を推定するSLAMにより実現される.ホログラムは任意の場所にピン留めでき,この仕組みを応用して複数ユーザー間で同一のホログラムを共有し議論することもできる.HoloLensは多分野での活用が期待されており,現状特に最前線の現場で活躍する労働者を支援するツールとして用いられるケースが多い.HoloLensは今年進化する計画があり,今後はクラウド連携でそれぞれの特性を活かしつつ相乗効果を高め,BtoBのみならずBtoBtoCへの展開もしていくと考えられる.

  • 長尾 慈郎, 宮下 広夢, 佐野 卓, 長谷川 馨亮, 井阪 建
    2019 年 58 巻 3 号 p. 306-315
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,スポーツやエンターテインメント等のイベントを遠隔地にリアルタイムに伝送し4方向から奥行き感をもって再現するシステムである「Kirari! for Arena」について解説する.NTTはVR/AR/MRの枠を超え「あたかもそこにある」超高臨場感によって新たな感動を生み出すKirari!技術スイートの研究開発を進めており,Kirari! for ArenaはこのKirari!技術を有機的に統合して実現されている.本システムの撮影側では,イベントを4方向から撮影,計測し,トラッキングと被写体抽出の結果をリアルタイムに遠隔地へ伝送する.再現側では,映像に奥行表現の処理を加えて特殊な4面表示装置に表示することで,イベントを前後左右すべての方向から奥行き感をもって観察できる超高臨場感ライブ体験を実現する.

  • 三上 弾, 西條 直樹, 高橋 康輔, 五十川 麻理子, 薮下 浩子, 柏野 牧夫, 草地 良規
    2019 年 58 巻 3 号 p. 316-323
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,VRを利用したスポーツトレーニングについて紹介する.我々は,スポーツにおいて選手個人が能力を高め,高いパフォーマンスを発揮するための取り組みのひとつとして「経験」があると考えている.そこで,近年急速に進むスポーツシーンにおける計測技術を活用し,客観的な計測データに基づいて,スポーツの状態を仮想空間に再現し,それをHMD (Head Mounted Display) を通じて体験することで,選手の体験とするというコンセプトを考案し,野球を題材としたVRイメージトレーニング技術として実現した.現在は,仮想現実を用いることで,完全なコントロールを実現しながら,高い臨場感でスポーツの状態を提示できるという特性を活かすことで,これまでのイメージトレーニングのみならず,能力・技術の向上に向けた取り組みも実施している.

  • 岡田 拓也, 人見 徹, 板坂 典郎
    2019 年 58 巻 3 号 p. 324-331
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    仮想現実を用いれば,現実では実施することが難しい特殊な環境・状況で,脳がどのように情報処理を行うのかを検討することが可能となる.認知神経科学ではEEGやfNIRSなどの計測技術を用いて基礎から臨床に渡り,多様な研究が行われてきた.本稿では,最初にfNIRSを含む脳活動計測技術の概説と,これら計測技術を用いたVR体験時の脳機能を検討した先行知見を説明する.次に,VRという新しい産業分野における著者らの事例:1) 2D動画と3DCG動画との視聴中脳活動の比較,2) VRを用いた技能実習中の脳活動の観察について紹介し,最後にVR技術とfNIRS計測技術とを組み合わせた産業応用の可能性について述べたい.

  • 濱本 和彦
    2019 年 58 巻 3 号 p. 332-339
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    VR技術は様々な分野に応用されるようになってきたが,バーチャル空間と現実空間との差に起因する生体への影響に関する基本的な理解は進んでいるとは言えない状況である.本稿では,その影響について,バーチャル空間における酔いと空間認知を取りあげ,これらに関する研究の取り組みについて紹介する.バーチャル空間における酔い (バーチャル酔い) については,特にCAVE型環境のような多面没入型VR環境における複数ユーザ参加時の酔い誘発原因を明らかにし,コンテンツに依存しない酔い低減対策について検討した研究を紹介する.空間認知については,環境とのインタラクションによって生じる生態学的認知について,バーチャル環境と現実環境における違いをリーチング実験により検討し,バーチャル環境で現実環境と同様な生態学的認知を得るために必要な条件を検討した研究を紹介する.

Imaging Highlight
  • 井上 勝文
    2019 年 58 巻 3 号 p. 340-344
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    日本語の指文字は,ひらがな50音を指の形で表現する視覚言語の一種で,手話単語にない単語を表現するのに使用されている.このため,指文字を自動認識できるようになると,聴覚障がい者とのコミュニケーション促進につながることが期待されている.本稿では,これの実現を目指している,日本語の指文字の自動認識技術の一事例について紹介する.具体的には,RGB-Dカメラを用いて手領域を抽出し,手領域の形状等の情報から表現されている指文字を認識する技術と,連続表現された指文字を一文字一文字に分割するスポッティング技術について紹介する.また,その応用事例として,指文字で表現されたひらがな文字を漢字変換して提示するタイピングシステムについて紹介する.

教育講座
  • 宮沢 靖幸
    2019 年 58 巻 3 号 p. 345-349
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル 認証あり

    エネルギー分散型元素分析装置 (EDX,Energy Dispersive X-ray Spectrometer) を用いた金属材料ミクロ組織の元素分析法について解説した.EPMA (波長分散型元素分析装置) との対比を行い,両者の違いを述べ,さらに,EDXによる分析時の注意点について解説した.両者の大きな違いは,分析時間である.EDXの分析時間はEPMAのそれと比較して短い.

    また,EDXは点分析で使用する場合が多く,分析原理などを良く理解して使用する必要がある.

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