電子写真学会誌
Online ISSN : 1880-5108
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33 巻, 3 号
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論文
  • 秋田 成司, 中山 喜萬
    1994 年 33 巻 3 号 p. 202-208
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/05/31
    ジャーナル フリー
    暗減衰過渡分光法1)に対し,Poole-Frenkel(P-F)効果の影響を考慮した理論を基に,暗減衰特性の数値計算を行い,実験結果に与える影響を予測した.また,PF効果を表面電位と試料膜厚から求めた平均電界によって補正することにより,放出準位分布を求めることが可能であることがわかった.これを基に,a-Si:H感光体の暗減衰特性を解析すると,トラップされた電子の放出過程はP-F効果に大きく影響されていることが判明した.その放出準位密度は,試行離脱周波数をν0=1012Hzと仮定すると,伝導帯端より0.8eV付近で4×1015eV-1cm-3で,それより深い準位ではエネルギの増加とともに大きくなり0.88eVで約2×1016eV-1cm-3であった.
  • 宮本 昌彦, 堂丸 隆祥, Robert WEST, 中山 喜萬
    1994 年 33 巻 3 号 p. 209-219
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/05/31
    ジャーナル フリー
    置換基と分子量による有機ポリシランの正孔輸送への影響についてTime-of-Flight法によるデータをGil1式およびBorsenberger式で解析し考察した.分子量の効果はpoly(phenylmethylsilane)について調べた.ドリフト移動度μdの電界および温度依存性は,いずれの式でも整理でき適合性の優劣はつかなかった.μdは分子量に依存しない.しかし,系統的ではないが置換基に依存し1桁以上変化した.Gil1式におけるゼロ電界活性化エネルギーはBorsenberger式のホッピングサイトのエネルギー揺らぎに対応するが,これは分子量の影響を全く受けない.しかし,置換基に依存し,芳香族置換基はそれを拡大する作用を持つ.Borsenberger式で定義されているホッピングサイトの位置揺らぎは分子量の増大によって大きくなる.この変化は,Gi11式ではμdの電界依存性が消失する特性温度の低下として現れる.ただし,このときガラス転移温度が高くなり,特性温度がガラス転移温度と近い値をとる必然性のないことが明らかになった.
  • 辻田 明夫, 中村 正憲, 前川 勉
    1994 年 33 巻 3 号 p. 220-226
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/05/31
    ジャーナル フリー
    三セレン化ヒ素(As2Se3)感光体のトナーフィルミング現象について,As2Se3感光体の表面酸化の観点から検討した.その結果,As2Se3感光体の表面はコロナ放電によるオゾン曝露下において,ヒ素が選択的に酸化され,通常の大気中では生成されない五酸化ヒ素(As2O5)が生成されることを確認した.このAs2O5の生成過程において,感光体表面に荒れが起こる.荒れた感光体表面は残留トナーを付着しやすくなり,トナーフィルミングが発生する.
    また,As2O5の生成はコロナ放電の際に発生するオゾン(O3)と窒素酸化物(Nox)が大気中の水分(H2O)と反応して生成した硝酸(HNO3)によるAs2Se3感光体の表面酸化により進行する事が分かった.
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『創造の原点を探る』
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