電子写真学会誌
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最新号
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論文
  • 磯野 仁志, 伴 和夫, 塩島 勝彦
    1998 年 37 巻 2 号 p. 138-148
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/02/02
    ジャーナル フリー
    熱磁気プリンタ用の記録媒体として,TbCo面内磁化膜をスパッタリング法により作製した.飽和磁化が大きく,かつ,保磁力の温度上昇に伴う低下が大きくなるTb組成が10~12atm%の範囲で検討を行った.磁界中スパッタリング法で多層膜を作製したところ,保磁力43kA/m,残留磁化0.25Tの面内に一軸異方性を有するTbCo膜が得られ,この膜に熱磁気記録を行い,定着画像のマイクロデンシトメータによる反射濃度値が0.7となる量のトナーを吸引する磁気潜像が形成可能であることを確認した.
    さらに,面内一軸異方性の向きが直交したTbCo多層膜を下地層に用いると,磁化遷移領域に生じる鋸歯状磁化転移構造のジグザグが小さくなり,600DPI相当の記録解像度が得られることが確認できた.
  • 塩谷 真, 岡崎 猛史, 田村 泰之
    1998 年 37 巻 2 号 p. 149-155
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/02/02
    ジャーナル フリー
    インク滴がインクジェット用紙に浸透してドットを形成するメカニズムを検討した.実験は種々の体積のインク滴をインクジェット用紙に種々の速度で着弾させ,インクが浸透する様子を観察するとともに,形成されたドットの径・断面を測定した.また紙の吸インク特性をブリストー法によって測定した.
    この結果,インク滴は紙に着弾後,紙上で数μs~10数μsの時間オーダーで拡がるのに対して,浸透は数ms~数10msのオーダーで起きることが分かった.さらにインクの毛細管浸透の理論に基づいて,紙の空隙率・空隙へのインク充填率・紙とインクのぬれ性・インク物性などをパラメータとして含む浸透モデルを考案した.このモデルによれば,インクジェット用紙上でのドット径を精度良く予測することができる.
  • 保坂 靖夫, 中尾 英之
    1998 年 37 巻 2 号 p. 156-166
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/02/02
    ジャーナル フリー
    従来の電子写真プロセスでは,コロナチャージャを用いて感光体上のトナー画像を普通紙に転写していた.この転写方式は,環境湿度で普通紙と感光体上のトナー層の抵抗率が減少すると転写効率が低下し,普通紙に転写したトナー画像の画質が著しく劣化する.ここで報告する環境湿度に対して安定な転写効率を与える転写ローラは,スポンジローラ表面に導電層と抵抗層の樹脂層を設けた二重構造である.スポンジローラは感光体上のトナー固着を防止する2×104Pa以下の接触圧とし,抵抗性樹脂層は環境湿度に安定な転写効率を与える抵抗率4.2×109~8.5×1010Ω・cmで厚さ120μmと最適化してある.この転写ローラを搭載したカラープリンタを用い,温度20℃,湿度60%の常湿時から温度35℃,湿度85%の高湿時の広い環境湿度のもとで,転写効率85%以上を与える安定なカラー画像を実現した.この両環境条件下で作成したカラー画像間の各色ごとの色差は2.0以下に収まり,再現性の良いカラー画像を得た.
  • —キャリア表面特性の影響—
    李 源渉, 高橋 恭介
    1998 年 37 巻 2 号 p. 167-174
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/02/02
    ジャーナル フリー
    2成分現像剤の摩擦帯電メカニズムについて新しい提案1)があり,この2成分現像剤のトナー帯電メカニズムはトナー比電荷q/mのトナー混合比(Ct)依存性を検討することにより得られる.この新しいモデルを幾つかのトナーとキャリアを用いて一般的に適用可能かの検討を行った.また,キャリアの表面処理による帯電可能なサイト数が変化した場合にトナー比電荷q/mのトナー濃度依存性にどのように影響を与えるかの検討を行った.
    数種類の表面特性の異なるキャリアのトナー帯電量の混合比依存性を検討した結果,キャリア表面の特性に依存した帯電特性を得た.フェライトキャリアの場合には使用した数種のトナーに対してすべてq/mはトナー濃度依存性を示さない(Type I).一方,鉄粉キャリアの場合には,すべてq/mはトナー濃度依存性を示した(Type II).シリコーン被覆フェライトキャリアの場合はType Iが保持されるものとType IIに変化するものがあり,フッ素被覆フェライトキャリアの場合はType IとType IIの中間の挙動を示す(Type III).
  • —トナー表面上の外添剤の影響—
    李 源渉, 高橋 恭介
    1998 年 37 巻 2 号 p. 175-179
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/02/02
    ジャーナル フリー
    トナー表面上でシリカなどの外添剤が変化した場合にトナー比電荷q/mのトナー濃度依存性にどのように影響を与えるかの検討を行った.トナー混合比に対するトナー表面上のシリカ外添剤の変化による帯電特性をブローオフ方法により検討した.トナー摩擦帯電特性はシリカ添加によって変わる.これはシリカ帯電サイトがトナー摩擦帯電特性に寄与し,トナー粒子上のトナー帯電サイトとシリカ帯電サイトはお互い独立的にトナー帯電に寄与すると考えられる.
意見に対する答
Imaging Today
『ランダムドット画像技術』
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