労働科学
Online ISSN : 2187-2570
Print ISSN : 0022-443X
89 巻, 5 号
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原著
  • 彌冨 美奈子, 遠藤 光一, 原 俊哉, 杠 岳文, 市場 正良, 堤 明純
    2013 年 89 巻 5 号 p. 155-165
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    目的:ハイリスク飲酒者に対する集団節酒指導プログラム(S-HAPPYプログラム)の節酒効果およびメタボリック症候群の改善効果について検討した。方法:特定保健指導の対象者に該当し,AUDIT10点以上もしくは週21ドリンク(1ドリンクは純エタノール10グラム)以上の男性飲酒者55名に,6カ月間の生活習慣記録表(飲酒記録)を取り入れた3回の集合教育を行った。結果:介入前後で AUDIT得点,飲酒量,腹囲,体重,拡張期血圧,ALT,γ-GTPが有意に減少し,HDL-コレステロールが有意に増加した。メタボリック症候群と予備群を合計した割合は,介入前55人中49人(89.1%)から介入後31人(56.4%)へと有意に減少した。結論:集団節酒指導プログラムによる節酒効果とメタボリック症候群の改善の可能性が示された。(図2,表2)
  • 余村 朋樹, 施 桂栄, 作田 博, 彦野 賢
    2013 年 89 巻 5 号 p. 166-173
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    しばしば繁忙感はヒューマンエラーの一因として指摘される。しかし,繁忙感に影響を与える要因については明らかになっていない。そこで本研究では,組織環境下の従業員の繁忙感に影響を与える要因とその相互関係について明らかにすることを試みた。その結果,繁忙感に影響を与えるのは,主観的業務量,業務の重複度合い,情報量といった業務の発生状況から成る 「業務密度感」 と,業務に対する能力不足感や業務全体の不可視性から構成される 「不能感」 と,グループ内の支援状況から組成される 「低支援性」 であることが示された。さらに,繁忙感に直接的かつ大きく影響を与えるのは 「業務密度感」 で,「不能感」 や 「低支援性」 は 「業務密度感」 を介して繁忙感に影響を与えていることが明らかとなった。 (図2,表6)
研究ノート
  • 佐々木 司, 松元 俊
    2013 年 89 巻 5 号 p. 174-194
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    国際線運航乗務員の年齢構成,乗務編成,睡眠-覚醒パターンを模擬して,調査対象者X(男性,36歳)とY(男性,47歳)の2名が,睡眠脳波,直腸温,パフォーマンスを測定する予備調査を行った。乗務条件は,往復夜間乗務でシングル編成のデリー便および,往路昼間乗務,復路夜間乗務でマルチプル編成のムンバイ便であった。両便の往路乗務直後の睡眠は,睡眠間隔が通常より長いにも係らず短縮した。復路乗務前に現地の昼間時刻帯にとる予防的仮眠は,勤務開始時刻に制限されて出発時刻の早いムンバイ便でより短縮した。これらの睡眠の劣化は,若年者であるXより熟年者であるYで大きかった。また昼間乗務より夜間乗務,また往路乗務より復路乗務の反応時間の劣化が著しく,その対策として現地の昼間にとる補償的仮眠と,とりわけ熟年者には夜間乗務中の仮眠が重要と結論付け,調査方法を再検討して本調査に資することにした。(図4,表4,写真2)
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