アンケートにて鳥取県における難病患者の就労状況を調査した。平成26年度に,特定疾患治療研究事業対象56疾患,4,388名を対象に調査し,2,364人から回答を得た。平均年齢は62.3歳で,男女比1:1.38であった。modified Rankin Scale(mRS)を用いたADL評価では,介助不要のmRS0〜1が51.1%,介助を要するmRS2以上が43.5%だった。全体の40.3%が就業中で,21.0%は病気を理由に失業していた。患者ADLがmRS2以上になると患者の就業率が有意に低下し,mRS3以上になると介護者の就業率も低下していた。患者のADLに応じて就業支援を調整する必要がある。(図5 表4)
うつ病の診断に関するWebサイトの信頼性を評価した。GoogleとYahoo!で「うつ病(または鬱病・うつ・鬱)」と「診断」を組み合わせた単語を検索し,59サイトが対象となった。著者の名前や所属,引用文献や情報源,投稿日を記載していたWebサイトは約1-2割であった。独自の自己評価尺度(33.0%),除外基準の記載がない(18.6%),質問項目数や選択肢数の不足(16.9%)などの不適切な情報が認められた。Webサイト運営者の種類によってWebサイトの信頼性は異なった。運営者による医療情報の質の差を考慮しながら,適切な情報が提供されるように,インターネット上の医療情報の仕組みづくりや利用者の判断力を向上させるような啓発を促進する必要がある。(表3)