労働科学
Online ISSN : 2187-2570
Print ISSN : 0022-443X
95 巻, 1 号
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原著
  • 彌冨 美奈子, 原 俊哉, 杠 岳文, 堤 明純
    2019 年 95 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/10
    ジャーナル フリー

    男性製造業労働者(2978名)に対してAUDITで評価した有害なアルコール使用リスクとメタボリック症候群との関連性について検討した。AUDIT得点により低リスク群(0-7点),中リスク群(8-14点),高リスク群(>15点)に分類し,下位尺度のアルコール消費領域を3群,アルコール依存症状・有害なアルコール使用領域を2群に分けて検討した。低リスク群を基準としたメタボリック症候群の調整後オッズ比は,中リスク群,高リスク群では1.50(1.05-2.92),1.75(1.03-2.18)であった。アルコール消費領域では,中リスク群,高リスク群の調整後オッズ比は1.06(0.73-1.55),1.61(1.10-2.43),アルコール依存症状・アルコール有害使用領域では,高リスク群のオッズ比は1.46(1.05-2.03)であった。(表2)男性労働者においてAUDITとその下位尺度で測定される有害飲酒指標とメタボリック症候群に関連がみられた。(表2)

総説
  • 湯淺 晶子, 吉川 悦子, 吉川 徹
    2019 年 95 巻 1 号 p. 10-29
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/10
    ジャーナル フリー

    参加型職場環境改善の評価における課題と生産性・職場活力向上に資する指標について文献検討した。3つのデータベース(医中誌,,PubMed,,CHINAL)から1999〜2016年に発表された原著論文のうち,参加型職場環境改善の介入研究において何らかの評価結果が記載されている文献を分析対象とし,コーディングシートに従って文献に記載されている内容を整理した。その結果,32編の論文が抽出された。評価指標は,「身体的な健康アウトカム」,「心理社会的な健康アウトカム」,「職場風土・職場文化に関する指標」,「生産性に関するアウトカム」,「労働災害・災害休業・職業性疾患の発生件数」,「その他」に分類され,すべての研究が複数の評価指標を設定していた。この中で12編は介入により有意な改善がみられた。参加型職場環境改善に対する評価指標の選択には,改善する動機や目的を主効果として測定しており,それぞれの取り組み背景や主目的により設定する評価指標そのものが異なっていた。有意な改善が見られていない報告もあり,職場環境改善の目的に応じた適切な評価指標の設定と体系的な評価方法を用いることが重要である。(表1)

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