本研究では,全国のシルバー人材センターにおける2009年〜2018年度に発生した重篤事故の発生状況・要因を整理した。その結果,就業中の事故では,男性,75歳以上層,長期在籍層,「技能群」従事者で事故発生率が高く,約6割の事故が【保護具,服装の欠陥】に起因するものであった。就業途上の事故では,女性,高齢層,長期在籍層で事故発生率が高く,多くは第三者が関与する交通事故であり,【環境的要因】に起因するものであった。今後,シルバー人材センターでは,後期高齢層の更なる増加が見込まれることから,体力チェックなど健康度の把握および,自転車を含む車両による通勤の制限等の被災リスク管理が求められるだろう。