本研究は,運動器外傷データ(RODEO study)を用いて転倒発生状況を分類し,性別や受傷時年齢などの個人基本情報,受傷箇所,受傷程度などの医学的情報との関連性を検討した。全対象者および労災保険適用者を対象とした解析の結果,転倒発生状況によって個人基本情報,骨折部位や受傷後の医学的な情報との関連性に差異が認められ,両群間で共通点と相違点が明らかとなった。これらの結果は,転倒が日常生活および労働環境において頻繁に発生し,加齢の影響に加え,周囲環境が転倒発生の重要な要因であることを示唆しているため,転倒予防策を策定するための基礎資料として有用であると考えられる。
新人看護師による日々の看護業務遂行上の促進因子を明らかにし,構造化した。急性期・外科病棟の新人看護師6名を対象に半構造化面接を行い,KJ法により図解化した。その結果,11の象徴概念(シンボルマーク)が判明した。実務経験のない新人が医療チームの一員として,日々の看護業務をある程度遂行できるようになるには,困難に直面するフェーズを契機に,実践力を精錬させるフェーズを通して,最終的には実践力の向上(成長)を実感するフェーズから【医療チームの一員としての業務遂行の自律と成長実感】が得られるフェーズに行き着く構造が示された。これにより,新人が自律して業務を遂行するには,複数の成長課題を克服し実践力を精錬させなければならない現状が示唆された。
目的は,軽度認知症の人の就労的活動の導入に対する受け入れ事業所の認識を明らかにし,実装に向けた示唆を得ることである。対象は,事業所職員とした。「実装研究のための統合フレームワーク」を基にした半構造化面接による質的記述的研究を行った。その結果,事業所職員の認識は,軽度認知症や就労的活動についての知識不足に加え,肯定的評価よりも否定的評価の方が大きく,特に管理的立場で軽度認知症の人の就労的活動を職場に導入する難しさがあり,これらは福祉職特有の価値観に下支えされていた。事業所職員が“軽度認知症”や“軽度認知症の人の人となり”と“前例からノウハウやよい結果”を知ることで,円滑に導入できる可能性がある。
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