明治大学社会科学研究所紀要
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62 巻, 2 号
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  • 井田 正道
    2024 年62 巻2 号 p. 1
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
  • 資本流動性ネットワークの観点から
    清水 一之
    2024 年62 巻2 号 p. 2-21
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,ドイツの主要企業の株式所有構造を調査し,企業間の関係を明らかにすることを目的としている。この所有構造を把握するためにドイツの主要大企業30社(*2021年から40社に拡大)から構成されるDAX(ドイツ株式指数;Deutsche Aktien Index)採用企業の所有構造を独占委員会(Monopolkommission) が2年ごとに公刊する報告書から抽出する。このドイツを代表する40社の時系列の所有構造分析は,それを維持する生態系(エコシステム)の2年毎の変遷でもある。このエコシステムは,「効率・生産性」と「独占・寡占」という相反する環境要因を調整(コントロール)している。つまり,コントロールは,「効率・生産性」と「独占・寡占」に対して資本の流動性を方向付け,流動性ネットワークを調整している。本研究では,DAX40社を構成する中核11社と40社全体との構造比較からエコシステムを分析・解釈し,「ドイツ株式会社(Deutschland AG)」 の特徴と構造変化を検討する。さらに,分析する株式所有構造は,資本市場における流動性の構造を明らかにしている。この資本流動性ネットワークは,環境によって直接的または間接的,能動的または受動的な形態で効率的に変化している。一国経済の資本調達能力は,伝統的な中央集権的な資本機構から複雑化・高速化した分散・自動化された仮想市場へと移行しつつある。
  • 検事総長、次長検事、高等検察庁検事長、および法務事務次官に注目して
    西川 伸一
    2024 年62 巻2 号 p. 22-59
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
     検事総長、次長検事、東京・大阪・名古屋・広島・福岡・仙台・札幌・高松の各高等検察庁検事長、および法務事務次官の合計11の検察官幹部ポストそれぞれについて、歴代就任者をつきとめ、彼ら一人ひとりの経歴を『官報』を検索するなどして調べた。それらの結果を累計し分析したところ、主に以下の3点が明らかになった。  第1に、幹部検察官には大学在学中に司法試験に合格した者(本稿では「現役合格」者とよぶ)が多く就いている。その比率は検事総長、東京高検検事長、大阪高検検事長、および法務事務次官といった枢要ポストになればなるほど高くなる。すなわちこれは、任官時に「現役合格」者にマークが付けられ、彼らを幹部検察官へ引き上げていく純粋培養コースの存在を示唆している。  第2に、複数の幹部ポストを歴任する検察官が多い。各自の就任順を集計することで次の優劣関係が判明した。検事総長>東京高検検事長(以下、地名のみ)>大阪>名古屋>福岡>次長検事=広島>仙台>札幌>高松>法務事務次官。  第3に、特捜部長経験者など現場出身者にも検事総長など最高峰ポストに到達する可能性がある。裁判所の場合、最高裁事務総局という司法行政部門での勤務経歴がなければ最高裁裁判官には届かない。一方、検察官でも幹部に就くのはたいてい、現場を踏まずに法務省勤務が長い「赤レンガ組」である。とはいえ、元東京地検特捜部長の吉永祐介が検事総長に達した例もはじめ、状況によっては「現場組」が登用される。
  • ドイツ労働法制史におけるキリスト教の役割
    野川 忍
    2024 年62 巻2 号 p. 60-79
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    ドイツ労働法制の核となる理念の一つに、19世紀のドイツ帝国成立までの期間、及びその後第二次大戦後に至るまで、労働者の福祉や労働運動等にきわめて大きな役割を果たしたキリスト教の影響、特にカトリック勢力の影響がある。 本稿は、19世紀初頭にドイツがナポレオン戦争により神聖ローマ帝国の桎梏から解放され、その後ドイツ革命を経てドイツ帝国成立に至るまでの動乱の時期に、ドイツにも台頭しつつあった資本主義的生産体制の中で翻弄される労働者の窮状に、カトリックを中心とするキリスト教勢力が、どのように、またいかなる契機によって関与を深め、また具体的な機能を果たしたかを、歴史的背景や政治社会の動きなどを織り込みながら検討し、キリスト教の理念が、やがて1951年の共同決定法に至るドイツ労働法の理念的基盤として確立されていく過程とその意義を検討したものである。19世紀ドイツの社会状況を踏まえながら、カトリック勢力が労働者の中に浸透していく経緯を具体的勢力の動向などを踏まえながら明らかにした。
  • オンライン技術の活用から見た特徴
    清原 聖子
    2024 年62 巻2 号 p. 80-93
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    本稿は、アメリカの大統領選挙キャンペーンの研究として、コロナ禍で行われた2020年大統領選挙キャンペーンを例にとり、オンライン技術を活用した選挙キャンペーンがこれまでとどのように違うのか、あるいはどのような点がこれまでと変わらないのか、という点を検討した。その結果、コロナ禍で伝統的な「地上戦」に制約が大きい中、民主党のバイデン候補、共和党のトランプ候補の両陣営ともオンライン技術を駆使した選挙キャンペーンを展開せざるを得なかったことは明らかである。とりわけ感染拡大のリスクに慎重なバイデン陣営は、長い選挙戦の多くをオンライン重視で戦った。しかし、コロナ禍だから仕方なくそうしたというだけでなく、利点も大いにあった。一方、トランプ大統領やトランプ陣営は、ソーシャルメディアなどで「郵便投票は不正選挙になる」「選挙は盗まれた」という誤情報拡散キャンペーンを展開した。トランプ大統領のソーシャルメディアの発信力は強力であり、オンライン上での誤情報・偽情報の拡散が2020年大統領選挙キャンペーンにおいても深刻な問題となった。
  • ドイツ民法編纂過程における多極-多方契約
    中山 知己
    2024 年62 巻2 号 p. 94-104
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    いわゆる多角的法律関係における多数者間の取引を分析するための前提作業として、民法典において唯一多数者を想定する組合契約を素材にした。代表的な先行研究を著したドイツ人学者の所論を手がかりとして、一つの利益対立をもとにする双極-多方契約(bipolar-mehrseitiger Vertrag)と、二つ以上の利益対立をもとにする多極-多方契約(multipolar-mehrseitiger Vertrag)の対比を基軸に据えた。その観点から、まずはドイツ民法の編纂過程においてこれらの多方契約がどのように議論されたかを検討した。その結果、多方契約の固有の性格とその問題性について、またその要件特性について真摯に議論された跡がないことが確認された。立法委員会におけるこのような関心の低さは同時代の学者らの分析視点によるところが大きい。そこで用いられた「双方的(zweiseitig)契約」という概念は二つの請求権を基礎づける側(Lager)を意味していたので、結局は3人以上の側(Lager)を基本とする多極-多方契約を把握するには至らなかったのである。また組合法における議論をみても、三人以上の組合員をもつ組合を視野に入れていながら、結局は多方契約の問題を深めるには至らなかった。他にも論争となる諸課題があるのに、多方契約の問題はさらに解決が困難であるから、学問と実務の将来の課題であるとしてこれを避けたのではないか、と推察されている。
  • 計算社会科学的アプローチの試み
    水野 誠
    2024 年62 巻2 号 p. 105-125
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    新製品導入の成功と失敗を研究することはマーケティング研究において古くて新しいテーマといえる。本研究では大規模データの計量分析とエージェントベースモデルという、計算社会科学における2つの代表的アプローチをこの問題に適用した。第1の研究では、米国におけるパッケージグッズの個人購買履歴データを用いて、革新性の高い消費者とそれ以外の多数派を識別し、その間に生じる相互作用を推定し、それによって新製品の成功-失敗に関わるパタンを分類することを試みた。第2の研究では、消費者間の相互作用を複雑ネットワーク理論に基づく類型で捉え、さらに採用行動類型の違いを加味したときに生じる新製品の普及パタンの違いを仮想的条件のもとでのシミュレーションを行うことで探求した。いずれも新製品の成功-失敗を引き起こすメカニズムの解明にとって一助になると期待される。
  • コマーシャル・ペーパー/ユーロダラー市場に着目して
    須藤 功
    2024 年62 巻2 号 p. 126-139
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    本稿では、経営危機に直面したペン・セントラル鉄道の短期資金の調達を跡付ける作業を行なった。ペン・セントラル鉄道は、経営統合の当初から鉄道規制当局(ICC)の認可と取引銀行のバックアップ信用をえた上で、ゴールドマン・サックスを介してコマーシャル・ペーパー(無担保単名手形)の発行による資金調達を積極的に展開した。コマーシャル・ペーパーは、銀行借り入れ以下の低い金利(利回り)で発行できた。自動車会社の金融子会社などの発行で330億ドル強に拡大し、ペン・セントラル鉄道のコマーシャル・ペーパー発行は残高全体の5%を占めるまでになった。そして同社の債務不履行によってコマーシャル・ペーパーの更新不能が連鎖的に波及し、過度の銀行信用需要を誘発する流動性危機へと発展する恐怖が襲った。さらに、ペン・セントラル鉄道は財務危機が深まる中で、最後の頼みの綱として高金利のユーロダラーの借り入れに向かった。ペン・セントラル鉄道の破綻は、連邦預金保険の適用外であるユーロ資金の貸し手、500億ドル規模に成長したユーロダラー市場に衝撃を与えた 。ペン・セントラル鉄道の経営破綻に向かう過程で、連邦準備制度は譲渡性預金証書の上限金利の引き上げやユーロダラー預金に対する必要準備規制を導入して、ユーロダラー金利の急落、米銀行のユーロダラー取入れの急減など、ユーロダラー市場の「危機」を誘発することになった。コマーシャル・ペーパー市場やユーロダラー市場の危機を目前にした、ニクソン政権によるペン・セントラル鉄道救済計画や連邦準備政策の検討については、別稿を用意している。
  • 栁川 鋭士
    2024 年62 巻2 号 p. 140-155
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    筆者も所属する日本・インドネシア法律家協会(JILA)を通じて、日本が長年に亘って法制度整備支援を行っているインドネシア最高裁判所等を定期的に訪問したことを契機とし、裁判手続のIT化を急速に進めているインドネシアの民事裁判手続を日本でも段階的に進めている裁判手続のIT化の側面から検討することで、インドネシア民事訴訟手続の概要と課題を明らかにし、今後のソフトな支援活動に役立てることを本稿の目的としている。基本的に文献資料に基づく調査結果(一部現地での調査結果を含む。)に基づき、インドネシアの司法制度及び民事訴訟手続の法源、現状においてインドネシア独立前の法律(HIR及びRBg)が適用されている立法的課題、当該課題に直面しつつインドネシア最高裁規則(2019年最高裁規則第1号)によって民事裁判手続のIT化(オンライン提出(e-Filing)、オンライン支払い(e-Skum)、オンライン呼出(召喚)(e-Summon)、オンライン訴訟(審理)(e-Litigasi))を実施している背景とその概要を示し、民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)によって改正された民事訴訟法によって段階的に実施される日本の民事裁判手続のIT化との相違(IT化の背景にある理念、規範化プロセス)の検討と当該検討に基づきインドネシアの民事裁判手続のIT化の課題(適正・公平への配慮等の欠如など)を示した。
  • 首藤 明敏
    2024 年62 巻2 号 p. 156-181
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
    日本は世界的にも稀にみる老舗大国であり、その経済的、社会的価値は大きい。一方、継承者の不在により、家業としての存続が危うい事例も多々みられる。そこで、本論では、家業の存続に関わらず、老舗ブランドの価値を持続可能にする経営モデルを明らかにすることを目的とした。まず、既存文献や調査データ等の整理・分析を通じて、老舗経営の現状を把握し、その経営課題を把握し、関連概念の整理を行った。そうした論考に基づき、「歴史の発掘と編纂、地域表示と発信、事業内容転換への対応、商号と商標の管理、家業と無形資産の継承」という5つの論点を抽出した。その上で、18社の老舗経営者インタビューと現地調査に基づき5つの論点の詳細とその関連性を考察した。その結果、老舗ブランドの持続可能性に資するには、「伝承」の「継承」化、前近代的な商習慣からの脱却、知財管理も含めた近代的なブランドマネジメントの導入、さらに、老舗ならではの強みを発信することでより高い付加価値をとっていくことが重要であると結論づけた。
  • 筑紫 圭一
    2024 年62 巻2 号 p. 182-185
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
  • 中川 雄一郎
    2024 年62 巻2 号 p. 186-224
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
  • 中村 肇
    2024 年62 巻2 号 p. 225-230
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
  • 明治大学社会科学研究所
    2024 年62 巻2 号 p. 231-276
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー
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