ボランティア学研究
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  • 小島 祥美
    2025 年25 巻 p. 1-13
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     本特集は、国際ボランティア学会第25回大会で開催されたシンポジウムにて十分な議論ができなかった外国籍の子どもの就学義務化について扱う。  国籍を問わず、すべての子どもにも日本の公立学校に通う道が開かれている。しかしながら、日本政府は外国籍の子どもの保護者には義務を課さない、という姿勢を崩さない。それによって、学齢の外国籍の子どもの約1割が不就学状態に置かれているという実態が、今なお続く。さらに、無国籍状態の子どもの就学については、その実態さえもわからない。  そこで、本稿を本特集の序文として位置づけ、同シンポジウムの登壇者等の各論稿につなげたい。主にボランティアが外国籍の不就学児の学びを支えているという現状を踏まえつつ、不就学に置かれた子どもの声なき声に耳を傾けることから、外国籍の子どもの就学義務化をめぐる議論の緊急性を示すことが、本稿の目的である。最近の国が行った調査結果とも重ねながら、義務教育の対象外扱いの子どもの保護者の姿の可視化にも試みる。
  • 伊東 浄江
    2025 年25 巻 p. 15-26
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     私が代表を務めるNPO法人トルシーダは愛知県豊田市を中心に主に、外国ルーツの子どもの支援を行っている団体である。活動のきっかけは学校に入る手続きをしていない、学籍のない、不就学の子どもたちとの出会いだった。1990年の入管法の改正を受け、デカセギとして来日した保護者の中には、日本語が分からない子どもが日本の学校に行っても仕方がないと考える人もいれば、受け入れる学校も外国人の子どもが来ることに戸惑を隠さないこともあった。そして、学校に行かないことはそのまま居場所がない状態を生んだ。2024年現在、愛知県内にはいくつかの子ども向け日本語教室ができ、学校でも日本語指導の体制が整ってきたが、この30年の間にどんなことがあり何が変わったのか。活動を振り返りながら考える。
  • 田中 宏
    2025 年25 巻 p. 27-38
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     「学校教育と国籍」を軸に考える。1945~52、朝鮮人は日本学校への「就学義務」負うとして「朝鮮学校閉鎖令」、変則的な「公立朝鮮学校」も存在。52、平和条約発効時、朝鮮人は「外国人」に、「就学義務」はなく、就学は「恩恵」に。外国人の「教育に対する権利」は蚊帳の外?65、日韓条約で国交正常化。文部省、朝鮮学校は各種学校としての認可認めずと通達、規制強化の「外国人学校法案」登場。68、革新都知事、朝鮮大学校認可、外国人学校法案廃案。自治体、外国人学校に補助金交付。74、就職差別裁判勝訴、民族差別と闘う市民運動誕生。最高裁の「帰化」を拒み、弁護士第一号も。大阪の日本学校に「本名を呼び、名のる運動」。2003、文科省、欧米系学校にのみ大学入学資格付与と発表、除外された朝鮮学校からブラジル学校までが一堂に会して解決、「外国人学校振興法」パンフも。財務省、初等中等教育を外国語で施す学校を税制優遇の対象に。国連・人権条約機関、高校無償化の朝鮮学校除外を批判。外国人の「就学義務化」今や実現のときである。
  • 前川 喜平
    2025 年25 巻 p. 39-49
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     憲法と教育基本法は、経済的地位による教育上の差別を禁止し、すべての子どもに無償で普通教育を受ける機会を保障している。外国籍の子どもにも、憲法及び国際人権規約、子どもの権利条約などにより同じ保障がなければならない。  しかし、日本の義務教育には、普通教育を1条校に限定する「学ぶ場の壁」、対象年齢を15歳までに限定する「年齢の壁」に加え、対象者を日本国籍の子どもに限定する「国籍の壁」がある。外国籍の子どもの保護者に就学義務が課されないのは、日本の学校が「国民教育」を行う場だと考えられているからだが、その背後には明治政府が作り出した「國體思想」があり、それは自民党政権の下で強まっている。  外国籍の子どもの就学を義務化するためには、1条校における日本語指導の充実や民族教育の機会の保障などが必要だが、これに加えて朝鮮学校などの外国人学校への就学を義務教育として認め、これを無償化することが必要になる。しかし、自民党政権は「官製ヘイト」というべき差別的政策をとっている。外国人学校を無償化するためには政権交代が必要だ。
  • 複眼思考的に戦略を検討する
    小貫 大輔
    2025 年25 巻 p. 51-62
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     外国籍の子どもに普通教育の義務を課さない政策は、種々の人権条約に照らしても先進諸国の制度と比べても世界の常識から逸脱している。この政策に変更を求める戦略を「複眼思考的」に検討する。国は「希望すれば公立学校に受入れる」ことをして人権侵害はないとするが、外国籍の子どもの多くが不就学となり、外国学校を選択すれば正規の教育制度から排除されているのが現実だ。複眼思考の一つの形である「インターセクショナリティ」理論を用いて、国の主張は否定できることを示す。義務教育が適用できない本当の理由は、外国学校の存在にあるといわれる。就学義務化となれば、その非正規性のゆえに1万人以上の外国籍の子どもの学びが違法行為となってしまうからだ。他方、不登校が34万人を超える今日、日本人の子どものためにも非正規のオルタナティブ学校が多々開かれている。オルタナティブ学校は、非正規学校での学びを義務教育の履行と位置付けるために、「普通教育」と「学校教育」を分けて考える複眼思考を提案する。その提案との連携の可能性を検討する。最後に、外国籍の子どもの義務教育保障運動の戦略を、先行する権利保障運動の一つ「同性婚運動」から学ぶ試みをしたい。
  • 人的ネットワーク形成のあり方から見える運動の特徴
    石川 航
    2025 年25 巻 p. 63-73
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では、在日ミャンマー人がどのように人的ネットワークを構築し、運動への参加や組織形成を行っているのかを調査することで、運動の特徴や同運動が持続している背景の一端を明らかにすることを目的とする。在日ミャンマー人の運動は協調性のなさが指摘されることもあり、運動体としての組織の弱さに繋がっているようにも見える。さらに、在日ミャンマー人の団体は、メンバーの固定化がなく離合集散が繰り返されるなど、流動的な側面が大きいために、統一的な運動が難しい。しかし、在日ミャンマー人はリーダーへの忠誠心や他メンバーに対する信頼感に基づいて主体的な運動参加を実現させており、組織としての脆弱性が必ずしも運動全体の弱体化には結びついていない。これは、「自分と他者」という二者関係を軸にネットワークを形成すると言われるミャンマー人にとって、合理的な組織形成をしているからである。そして、分裂や新しいグループの結成が当たり前になっているからこそ、在日ミャンマー人の運動は、個々の参加者が担う役割も柔軟に変化する。誰もがリーダー的立場になりうる潜在性を持っているため、各々が主体的に参加する傾向があり、運動は持続しやすい。
  • 茨木市北部地域を事例として
    森田 恵, 秋吉 恵, 櫻井 典子, 奥貫 麻紀, 秦 憲志
    2025 年25 巻 p. 75-87
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では、地域を基盤とした学習(Community-Based Learning: CBL)がアクター間の相互作用を通じて地域に与える影響をキー・コンピテンシーと「関係基盤」の概念を用いて分析した。事例研究の結果、CBLは地域のアクターの態度や価値観の変化を促し、アクター間の関係性を変化させ、アクターのキー・コンピテンシーの向上に寄与することが確認された。そうした変化の誘因として、各アクターにおいて他者を受け入れる開放性、学び変化しようとする姿勢、親密さ、公平さ、誠実さの発揮、及びCBLの教育プログラムが機能したことが観察された。  そしてCBLにより生み出される縁もまた「関係基盤」であった。さらに地域組織のアクターが地域の異質な集団で交流してきた経験がCBLにおける学生との関係構築に転用されることで「関係基盤」の重層性の効用が増し、CBLによるアクターのキー・コンピテンシー向上が「関係基盤」の連結性を促進したことが観察された。これらは既存の「関係基盤」の状況やCBLの継続性及び社会状況の変化といった一定の条件の下で、CBLが地域の「関係基盤」の機能を促進する触媒の役割を担い得ることを示唆している。
  • 2017年と2023年「短期国際ワークキャンプ」参加者調査の比較から
    小菅 洋史
    2025 年25 巻 p. 89-100
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     COVID-19パンデミックの海外短期プログラム参加者の性質や成長感への影響について、2017年と2023年の「国際ワークキャンプ」参加者を対象に比較検証を行った。調査の結果、2023年群にとって、パンデミックは計画の変更や後ろ倒しを強いるものであったが、参加に対する決意に大きな影響は及ぼしておらず、参加者は高い内発的な参加動機と、参加による主観的な成長感を強く得ていたことがわかった。さらに成長に寄与した現地での活動については、ワークキャンプの特徴である事前事後の旅行やボランティアワーク(小菅2020)だけでなく、食事や余暇時間の影響が強く示されており、対面コミュニケーションへの渇望が推察された。一方、自由記述の分析において、2017年群は資格取得やスキル習得といった具体的な活動への意欲が高まっていたことに対し、2023年群は抽象的な活動が目立った。これは本来、様々な経験から自身のやりたいことや将来像を精緻化させていくプロセスに対し、得られる経験と省察が不十分であったことが原因である可能性が考えられる。パンデミック期を「学び」と「成長」の時期に被った学生たちに対して、この差異への理解とサポートが必要である。
  • 藤田 優一, 堀江 正伸, 大坪 明, 藤井 達矢, 脇本 景子, 加藤 丈太郎, 福井 美苗, 工藤 大祐, 小笠原 史士
    2025 年25 巻 p. 101-107
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     A団地は総戸数約7,000戸の大規模住宅団地である。近年、中国、フィリピン、ペルー、ブラジル等の多様な国からの家族も多数居住している。2017年から大学生が、外国にルーツを持つ子どもたちを対象とした学習支援ボランティアの活動を行っている。本研究の目的は、ボランティア活動に参加した動機、継続している理由、困難に感じること、今後の活動がどのようになっていったらいいと考えているかについて明らかにすることである。9名の学生、卒業生を対象に半構造化インタビューを実施し、質的記述的に分析を行った。ボランティア活動に参加した動機は【社会貢献への参加】、【自身の成長の機会】、【教員からの紹介】であった。学生が活動を継続している理由としては【子どもや保護者への貢献】、【自身の成長の機会】、【子どもとの良好な関係性】、【ボランティアメンバー間の協力】がみられた。今後はさまざまなイベントを通じて住民らが交流できるように研究を進めていく。
  • 水利用者とDPHE職員のインタビューから
    門上 綾
    2025 年25 巻 p. 109-125
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
     バングラデシュでは世界の潮流にならい、水利用者による給水施設の運営・維持管理(Operation and Maintenance:O&M)方針を採用している。しかし、他国同様、現O&M実施体制についての議論が必要な過渡期を迎えている。バングラデシュ政府は新たなO&M体制の導入を打ち出しているが、その実現には課題が多い。  筆者の給水施設の協同管理の可能性に係る研究では、O&M活動の責任を担う水利用者代表(ケアテイカー)とその他水利用者での協同管理の可能性を明らかとし、その促進のために給水施設の所有や管理に関する明確な規定、行政―水利用者間での施設利用許諾手続きを通じた理解促進や合意形成、及び行政やNGO等の外部からの十分な指導や支援の提供による水利用者の認識醸成の必要性を指摘した。  本研究では、給水施設の協同管理の実現のために必要な要件を検討した。対象地域でO&M活動実施のために強いリーダーシップを意図的に持たせることは容易ではない。そのため、調査により①宗教観に基づいたキャンペーンや指導を行うこと、②キャンペーンやO&M活動への政治的リーダーの巻き込み、給水施設の引き渡しに関する行政手続きにおいて政治的合意項目の明文化等の政治的な紐づけを行うこと、③ 経済的価値においての公平性を担保することの3点が必要な要件であると考察された。
  • 小島 祥美, 藤掛 洋子, 林 薫, 堀江 正伸, 日下部 尚徳, 大安 喜一, 野呂 純一, 桑名 恵, 小川 寿美子, 先家 茉子
    2025 年25 巻 p. 127-134
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
  • 田中 志歩
    2025 年25 巻 p. 135-136
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
  • 綿貫 竜史
    2025 年25 巻 p. 137-138
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
  • 山内 貴裕
    2025 年25 巻 p. 139-140
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
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