映像情報メディア学会誌
Online ISSN : 1881-6908
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68 巻, 11 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
ふぉーかす
特  集
裸眼立体表示技術
話  題
講  座
ディスプレイユーザインタフェース(第5回)
ニュース
論文特集 映像表現とコンピュータグラフィックス ~映像表現・芸術科学フォーラム2014を中心に~
特集論文
  • 大久保 英彦, 藤井 真人
    2014 年 68 巻 11 号 p. J471-J481
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,映像合成制作で必須の作業である,映像中の指定被写体領域を選択して部分映像を取出すことを簡単でインタラクティブな操作で実現させることである.映像制作においては,ユーザのさまざまな試行操作に対する高速なフィードバックが求められるが,動画を対象とする場合,大量のピクセル数がそれを困難とする.本研究では,部分映像の取出し作業において高速なフィードバックを実現するために,映像を時空間領域に分割し,抽出の際にはその結果の分割領域をノードとみなしたグラフカット処理を利用するアプローチを提案する.具体的には,新たな時空間領域分割手法と指定被写体領域抽出手法を考案した.領域分割については,難易度の高い処理である,一般的な背景の中を動く被写体を抽出する目的に特化させた手法になっている.指定被写体抽出については,不均一な時空間分割領域をノードとしてグラフカット処理する場合にも効果的に抽出できるような手法となっている.そして,この提案する領域分割手法と領域抽出手法の二つを組合せることで,効率的に高品質な被写体抽出が可能になることを示した.
  • 畔津 忠博, 上田 千晶, 末竹 規哲, 内野 英治
    2014 年 68 巻 11 号 p. J482-J487
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    人間の視覚は色相の変化に敏感であるため,カラー画像の強調処理を行った場合,色相が保持されることが望ましい.色相を直接的に扱うためにはHSI色空間やCIELAB色空間等を利用する方法が考えられるが,工学的にカラー画像はRGB色空間やCMY色空間で取り扱われることが多いため,画像処理もこれらの空間内で行えると便利である.NaikらはRGB色空間での色相保存の条件を示し,これを用いた画像強調の方法を提案している.しかしながら,この方法には彩度が低下する問題があるため,この問題点を修正する方法が幾つか提案されている.本論文では,RGB色空間において色相を保持したまま彩度を調整するための一方法を提案する.提案手法では,井上らによって提案された彩度最大化の方法にガンマ補正を導入することで所望の彩度を得ることを試みる.実験結果により,ガンマ値を変更することで彩度が適切に調整できることを確認した.
特集研究速報
  • 笠松 卓史, 新谷 幹夫, 湯浅 嵩, 白石 路雄
    2014 年 68 巻 11 号 p. J488-J491
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    樹木の3Dモデルは,1ポリゴンで1枚以上の葉を表現することが多いが,形状が平坦であるため鏡面反射が不自然になる.一方,葉を滑らかな曲面で表現すると頂点数が増えてしまい,表示速度が低下する.そこで本研究では,関数による法線の変化で葉の曲面性を表現し,写実的なレンダリングを実現する.また,遠景における鏡面反射のエイリアシングを軽減するため,レンダリング時に法線を解析的にフィルタリングする手法を開発した.これにより,近景から遠景まで自然な鏡面反射を表現することが可能となり,樹木のレンダリングの写実性が向上した.
  • 平岡 透, 熊野 稔, 浦浜 喜一
    2014 年 68 巻 11 号 p. J492-J494
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    モルフォロジカルフィルタを用いてラビリンス風画像を生成するノンフォトリアリスティックレンダリングの方法を提案する.提案法によって生成されるラビリンス風画像は,従来のバイラテラルフィルタによって生成されるラビリンス風画像と類似しているが,提案法は従来法よりも高コントラストな縞模様が生成される.提案法の有効性を検証するために,様々なグレースケール画像からラビリンス風画像を生成して,その見栄えを視覚的に確認する.また,提案法は従来のバイラテラルフィルタによる方法よりも計算時間が非常に短いことも実験を通して確認する.
論文
  • 堀田 高大, 木谷 クリス 真実, 佐々木 秀貴, 小池 英樹
    2014 年 68 巻 11 号 p. J495-J501
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    We placed a small wireless camera inside an American football to capture the ball's view during flight to augment the spectator's experience when watching American football. To this end, we propose a robust video synthesis algorithm that leverages the unique constraints of fast spinning cameras to obtain a stable bird's-eye-view video clip. Our algorithm uses coarse-to-fine image homography computation to progressively register images. We then optimized the energy function defined over pixel-wise color similarity and distance to image borders to find optimal image seams to create panoramic composite images. Our results show that we can generate realistic videos from a camera spinning at speeds of up to 600 RPM.
  • 菅 智茂, 沢田 浩和, 水谷 圭一, 石津 健太郎, 村上 誉, 原田 博司, 高田 潤一
    2014 年 68 巻 11 号 p. J502-J509
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    周波数有効利用の観点からテレビホワイトスペース(TVWS)の活用が期待されている.TVWSを利用する場合,テレビ放送受信者への与干渉エリア及びTVWSシステムの通信エリアを推定する必要があるが,TVWSシステムの運用環境に即した伝搬モデルの検討は少ない.そこで本論文では,TVWSシステムの運用環境として想定される低アンテナ高での見通し内近距離伝搬損失特性を明らかにするため,屋外電波伝搬測定を行い,テレビ放送受信者への与干渉エリア,および見通し環境における通信エリアを推定するための伝搬モデルを検討した.伝搬測定の結果から,直接波と大地面からの反射波とを考慮した2波干渉モデルを基本として,最小の伝搬損を考慮した与干渉エリア推定用の伝搬モデルを開発した.さらに,この開発した伝搬モデルに対数正規分布で表されるフェージング損失の項を追加することで,通信エリアを推定可能とした伝搬モデルについても示す.
フィールド論文
  • 安藤 慎吾, 山本 奏, 筒口 拳, 片山 淳, 谷口 行信
    2014 年 68 巻 11 号 p. J510-J516
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    筆者らはこれまで,カメラ付携帯電話で再撮影した映像から検出が可能な映像向け電子透かし方式を開発し,これをテレビ放送番組等に対するコンテンツ自動認識技術として用いることで,関連する情報を提供するサービスを提案してきた.本論文では,実放送環境における実証実験を行った結果について報告する.実験の結果,地上デジタル波により放送された映像からでも,映像縦幅の4~6倍離れた距離から,市販スマートフォン端末で約9割の成功率で検出が可能であり,コンテンツ自動認識技術に必要な実用的な検出性能を満たすことが確認できた.また,一般の実ユーザによる操作容易性の評価を併せて実施し,必要最小限のインストラクションのみで一般ユーザが誤りなく操作できることが確認できた.
研究速報
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