映像情報メディア学会誌
Online ISSN : 1881-6908
Print ISSN : 1342-6907
ISSN-L : 1342-6907
71 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
巻頭言
特集論文
  • 大戸 琢也, 山本 高至, 羽田 勝之, 西尾 理志, 守倉 正博
    2017 年 71 巻 2 号 p. J61-J67
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー
    帯域内全二重(IBFD:In-Band Full-Duplex)通信は,周波数利用効率の向上を目的とし,同一周波数で同時に送受信を行う技術である.しかし,IBFDでは自己干渉とユーザ間干渉が発生する.特に,セル半径の小さいセルやユーザ数の少ないセルでは,ユーザ多重全二重(UFD:user-multiplexing Unidirectional Full-Duplex)においてユーザ間干渉が重大な問題となる.この問題を解決するために,UFDだけでなく双方向全二重(BFD:Bidirectional Full-Duplex)を導入したユーザスケジューリングを提案する.提案方式は自己干渉とユーザ間干渉の大きさに応じて,半二重(HD:Half-Duplex),BFD,UFDのいずれかを選択する.提案方式を重み付きプロポーショナルフェアスケジューリングを基に定式化する.
  • 宮城 裕一, 眞田 幸俊
    2017 年 71 巻 2 号 p. J68-J73
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー
    本論文では,Ricianチャネルにおける過負荷Multiple Input Multiple Output Orthogonal Frequency Division Multiplexing (MIMO-OFDM)システムに対してターボ符号と位相プレコーディング係数を導入した場合の効果を検討する.誤り訂正符号を用いた過負荷MIMO-OFDMでは,マルチパスによる周波数ダイバーシチによって信号ストリームの空間多重による特性劣化を抑えている.しかし,見通し内環境ではLine-of-sight成分が支配的となるため,符号語毎の信号ストリーム間の相関が高くなり,誤り率特性の劣化を引き起こす.本研究では相関低減のため,OFDMシンボル毎に位相プレコーディング係数を導入する.計算機シミュレーションおよび実験の結果,提案方式はプレコーディングを適用しない場合に比べて10-3で約0.5~1.5dB特性を改善した.
  • 上野 修平, 梅原 大祐, 田野 哲
    2017 年 71 巻 2 号 p. J74-J79
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー
    移動局同士が基地局からのダウンリンク周波数帯より高い周波数帯を用いて互いの受信フレームを共有することで仮想的に受信アンテナ数を増大されることで高いアンテナダイバーシチ利得を得る端末共同干渉キャンセラが提案されている.本論文では,各移動局で受信フレームをPCMデータ化して高周波数帯の信号に変換するPCM-RoHR (Radio over Higher-frequency Radio)において,固有の通信品質劣化要因となる量子化誤差と検出誤差を定式化する.基地局からの信号は高いPAPRを有するMIMO-OFDM信号として,PCM-RoHRの所要量子化ビット数及び高周波数帯における所要SNRを計算機シミュレーションにより示す.移動局数の増加に伴い,アンテナダイバーシチ利得が有効に得られていることを明らかにする.
  • 熊谷 貴明, 近森 太洋, 冨里 繁, 田野 哲, 古野 辰男, 小田 恭弘
    2017 年 71 巻 2 号 p. J80-J86
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー
    本論文では,OFDM信号を用いたLED可視光無線通信において,受信電力を増大させるためLEDを飽和領域で用いた場合に発生する非線形歪をプリディストーションとピーク電力低減を組合せた手法で線形化する新たな非線形歪補償法を提案する.提案手法により,可視光通信用LEDへの入力電力増大を抑えながら非線形歪補償が可能となる.この手法による受信特性改善効果を計算機シミュレーションと信号伝送実験により評価する.シミュレーション結果からLED回路の飽和入力電力までの非線形性を線形化できることを明らかにした.また,実験結果から通信距離を1mとした場合,LEDの線形領域を拡大でき受信信号のSNRを2.5dB改善できることを確認した.
  • 秋山 良太, 齊藤 一幸
    2017 年 71 巻 2 号 p. J87-J92
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー
    近年,移動通信端末の使用形態の多様化により,それらの端末から放射される電磁波による人体への影響評価が多数行われている.通信端末で用いられる無線周波数帯では熱的作用が支配的であり,SAR(Specific Absorption Rate)を指標として評価がされている.特に,中継・番組制作現場などさまざまな場面での使用が想定されるトランシーバは,他の周波数帯と比較して人体での電力吸収が大きく,人体深部への電磁波ばく露が想定されるVHF(Very High Frequency)帯で用いられるため,端末使用時における人体への現実的な影響評価が必要である.本論文では,トランシーバを模擬したきょう体付きNHA(Normal mode Helical Antenna)を数値モデル化し,FDTD(Finite Difference Time Domain)法により,実際の使用時を想定したSAR評価を行った.その結果,身体の突出する部分や端末の配置によりSAR分布や局所10g平均SARの差異が確認できた.さらに,それらの値は電波防護指針の管理環境指針値を充分に下回ることを確認した.
論文
  • 渡邉 之人, 入江 豪, 黒住 隆行, 杵渕 哲也
    2017 年 71 巻 2 号 p. J93-J100
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー
    互いに類似した見た目でありながらも,別々の物体であるような物体群からの特定物体認識の問題を考える.類似する物体群から抽出されるキーポイント(SIFT等)は,その多くが類似するため相互に見分けが付きにくく,結果として認識精度が劣化するという問題がおこる.本稿ではまず,類似物体間の差異となるような微小な『弁別的キーポイント』を発見するごく単純な方法を提案し,これにより類似物体群からであってもより正確に正しい物体を特定できることを示す.さらに,弁別的キーポイントの識別性能を活かしながらも高速な認識を行うためのインデクシング法として『2レベル転置インデクス法』を提案する.この方法は,1レベル目で全キーポイントを用いた認識を行うことで類似物体群だけに粗く絞り込み,2レベル目で弁別的キーポイントのみを用いて正しい物体の特定を狙う.3種類のデータセットを用いた実験を行い,本手法の有効性を明らかにする.
  • 山口 由美, 長浜 佑樹, 川島 徹也, 下馬場 朋禄, 角江 崇, 伊藤 智義
    2017 年 71 巻 2 号 p. J101-J105
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー
    コンピュータ上のシミュレーションによって作成されたホログラフィを計算機合成ホログラム(CGH)という.CGHを利用して映像を投影するホログラフィックプロジェクタは,レンズを使用せずに映像を拡大縮小することができるため,システムの小型化に適している.現状として,ホログラフィックプロジェクタは平行平面間でのみ映像の投影が可能である.そこでわれわれは本研究において,傾いた面に映像を投影することが可能なホログラフィックプロジェクタを開発することとした.具体的には,非平行平面間における光伝搬計算と,拡大縮小が可能な回折計算をCGHに併用する方法の検討と検証を行った.
    またその方法を応用して,一つのCGHから複数の映像を,それぞれ異なるスクリーンに対して同時に映し出す手法の検討および実験を行った.さらにGS法を適用して投影映像の画質改善を行った.それらの結果について報告する.
研究速報
feedback
Top