映像情報メディア学会誌
Online ISSN : 1881-6908
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ISSN-L : 1342-6907
72 巻, 1 号
選択された号の論文の38件中1~38を表示しています
トップは語る
特集A
クロスモーダルインタフェース
特集B
ホログラフィ・フロンティア
話題
話 題;見聞記
講 座 UHDを支える映像の高画質化技術 (最終回)
映像情報メディア年報2017シリーズ (第7回)
私の研究開発ツール (第97回)
知っておきたいキーワード
(第119回)
(第120回)
輝け! リケジョ (第38回)
私の日本滞在記 (第13回)
思い出の1枚 (第7回)
研究ハイライト (第6回)
«新シリーズ»ベンチャービジネス (第1回)
報告
ニュース
論文特集 選奨(技術振興賞/映像情報メディア未来賞)受賞者論文
巻頭言
招待フィールド論文
技術振興賞 コンテンツ技術賞受賞
  • 大松 浩一郎
    2018 年72 巻1 号 p. J2-J8
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    リニア編集のように映像を止めることなくテロップ付け(またはスーパー)する仕組みを,ノンリニア編集上に実現した.テレビ朝日は 2015年に報道設備がテープからファイルベースのシステムになり,編集面では本格的にノンリニア編集システムを取り入れた.しかし編集マンによると,映像編集は便利になる一方で,テロップ付けは逆に作業が大きな負担になるとのことだった.理由の一つはテロップ付けの際,映像の再生・停止を頻繁に繰り返すため,リニア編集よりもテロップ付けに時間がかかるためだった.もう一つはリニア編集で使っているディレクター用のスーパーボタンがなく編集マンがテロップ付け操作をすべて代行しなければならないためだった.今回の開発により,それら弱点を克服し,ノンリニア編集でのテロップ付けにかかる時間は旧来の半分になった.ノンリニア編集の圧倒的な利便性に加え,リニア編集の弱点であったテロップ付け機能が補強され,両者の長所を併せ持った編集システムが実現できた.
  • 青木 貴則
    2018 年72 巻1 号 p. J9-J12
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    ゴルフ番組ではショットに対する視聴者の関心が高く,弾道の描画や測定データを根拠としたショットの解説が求められていた.本システムでは 3Dドップラーレーダを用いてショット時のクラブヘッドやボールの動きを解析し,ショットデータの表示と実空間上にマッチした飛球線のリアルタイム描画を行うシステムを開発した.高精度なカメラキャリブレーションと組合せることによって,任意のカメラ映像に飛球線を描画させることを可能にしただけでなく,選手間や選手自身のデータ比較により,映像だけでは見えてこなかったショットの差,攻め方の違いを視覚的にわかりやすく表現することを実現した.
招待論文
技術振興賞 進歩開発賞(研究開発部門)受賞
  • 加藤 大一郎, 武藤 一利, 三ッ峰 秀樹
    2018 年72 巻1 号 p. J13-J22
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    バーチャルスタジオは,多彩な映像表現が可能なことから放送局でのニーズは高まる一方である.バーチャルスタジオでは,実写とCGをリアルタイムに合成するため,カメラがどのように動いて撮影をしているかのデータが必要となる.このデータは,車輪付き三脚にセンサが多数取付けられた特殊な機材を用いて取得するのが一般的な方法であるが,通常番組では多用されるハンディカメラが使用できない,システムが複雑で高価であるなどの課題があった.そこで,カメラ本体に装着することでデータを計測する自立型のセンサ(ハイブリッドセンサ)を新たに開発した.カメラの姿勢角をMEMSで計測し,位置を画像処理技術とレーザセンサを用いて計測する新しいコンセプトのセンサである.ハンディカメラの運用を可能とし,簡易なシステム構成でバーチャルスタジオを構築できるため,コストパフォーマンスにも優れている.ハイブリッドセンサは,これまでさまざまな番組に活用され,新しい映像表現で放送に貢献している.
  • 櫻井 秀一, 佐藤 圭介, 中島 雅彦, 佐藤 誠, 村上 洋平, 窪川 直毅
    2018 年72 巻1 号 p. J23-J28
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    取材現場では,SDメモリカード記録型の民生用カメラを多く使用しているが,万が一SDメモリカードの紛失や盗難があった際にも取材映像や個人情報が漏洩しない仕組みが以前から要望されていた.対応するには,カメラへデータ暗号化機能追加等の改造や専用の暗号化アダプタが必要となるなどの課題があった.このたび,SDメモリインタフェースロック機能付きNFC搭載SDメモリカードに改良を加え,取材現場の慌ただしい状況下においても,従来と同様に撮影ができ,かつ,情報漏洩防止に対応可能なSDメモリカードを開発した.本カードでは,スマホ等のNFC機能を用いて,特定ユーザのみデータの読出しを有効とさせることで,情報漏洩防止に対応可能な仕組みとした.2016年12月に報道ジャーナリストの安全性を高めるためにカメラへの暗号化技術搭載の要望がカメラメーカにあったが,カメラに改造を加えることなく,これらの要望にも幅広く対応可能な製品である.
  • 鈴村 高幸, 伊藤 博仁
    2018 年72 巻1 号 p. J29-J34
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    テレビ朝日では,非常災害時における放送継続手法の検討を継続的に行っている.本社の番組送出機能が喪失してしまい,親局送信所のみで放送を継続する事態を想定した時,SNGを用いて各地の系列局より放送素材を伝送してもらい,親局送信所において直接受信するという手法が有効である.しかし,関東広域放送の親局送信所は東京スカイツリー®であるため,アンテナを設置するための条件が厳しく,SNGを簡単に受信することはできない.そこで,常設されているFPU受信アンテナを用いてSNGを受信するという手法を考えた.この手法を実現するために,FPU受信アンテナの受信帯域幅を広帯域化し,SNGも受信可能となるような共用受信アンテナの開発を行った.
映像情報メディア未来賞 フロンティア賞受賞
  • 中村 友洋, 山﨑 貴弘, 船津 良平, 島本 洋
    2018 年72 巻1 号 p. J35-J40
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    RGBとも3300万画素のフル解像度とカメラの小型化を両立した実用的な8Kカメラシステムを目指して,1億3300万画素撮像素子と,同素子を用いた単板式ポータブルカメラシステムを開発した.開発した撮像素子は32カラム共有・14 bit冗長・逐次比較型AD変換器を採用し,RGBともフル解像度以上の画素数でフレーム周波数60Hzを実現した.本撮像素子を60 Hzで動作させてフル解像度カラー画像を取得し,4000 TV本以上の限界解像度を確認した.また,本撮像素子を用いて開発したカメラシステムは,単板式で初めてフル解像度(60Hz)での撮影を実現した.本カメラヘッドの重量は6.3 kgで,1億3300万画素全画素の信号を放送カメラ用光複合ケーブル1本で伝送可能である.撮像実験を行い,3板式フル解像度8Kカメラと同等以上の解像度特性を確認した.
映像情報メディア未来賞 次世代テレビ技術賞受賞
  • 梶山 岳士, 菊地 幸大, 小倉 渓, 宮下 英一, 鉄地川原 護, 渡瀬 宏, 長井 洋介, 高島 英男
    2018 年72 巻1 号 p. J41-J46
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    フルスペック8K SHVの高データレートな信号を圧縮記録する装置を開発した.8K SHVの映像パラメータの最上位を満たすフルスペック8K SHVは,8K解像度,120Hz,12bit階調,広色域,ハイダイナミックレンジを兼ね備えた超高臨場感映像であり,非圧縮映像のデータレートは144 Gbpsに達する.本装置は,画像圧縮に8K解像度,12 bit階調のデータ処理が可能な拡張JPEG方式を採用し,新たに開発した少ない計算量で高精度に符号量を予測制御する技術の適用により,番組制作車両で使用可能な装置サイズを実現した.圧縮したデータを記録する媒体は,並列化したSSDの転送速度を保証する仕組みの導入により小型化を実現した.入出力I/Fはケーブル1本でフルスペック8K SHVを伝送可能なU-SDI規格に対応している.試作装置は4Uラックサイズに収めることに成功し,フルスペック8K SHVカメラ映像の収録実験において良好な記録再生動作を確認した.
研究速報
  • 高橋 賢
    2018 年72 巻1 号 p. J47-J50
    発行日: 2018/01/01
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    緊急時において,放送局が送信する特別な信号によりテレビ受信機を自動起動する方法はすでに実用化されている.しかしながら,特に移動テレビ受信機においては受信ビット誤りにより,この自動起動信号を見逃し,または誤検出することがある.一方で,災害の発生確率は極めて小さいので,受信機にて得られる相互情報量が,緊急警報にて得られる平均情報量と比較して著しく小さいならば,受信機に待機状態を維持させるよりも例えば休眠させる方が良いと考えられる.ここでは,放送局から受信機に至る自動起動信号の伝送路を非対称無記憶2元通信路に近似して,その信号受信により得られる相互情報量を求めることにより,情報理論的に自動起動信号の受信特性を解析する.
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