映像情報メディア学会誌
Online ISSN : 1881-6908
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ISSN-L : 1342-6907
74 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
論文特集 選奨(技術振興賞/映像情報メディア未来賞)受賞者論文
招待論文
技術振興賞 コンテンツ技術賞受賞
  • 上田 容一郎
    2020 年 74 巻 6 号 p. 1004-1008
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/27
    ジャーナル フリー

    編集時にCG合成等で付加するようなフレア状の光彩を,ライブ映像に任意に発生させ,付加することができるフレアプラスレンズを考案し,製作,ライブ音楽番組で活用した.フレア状の光彩をコントロールして付加することで,映像にドキュメンタリーや報道番組のようなリアリティ感を持たせることや,幻想的・抒情的な画作りをすることが可能になった.

    フレアプラスレンズのピロティ構造の円筒部に反射素材を撮影者が挿入し,任意にフレア状の光彩を発生させる.挿入する素材によって発生する光彩は変化し,また挿入位置を動かすことで,映像上の光彩の発生位置をコントロールすることができる.

    2018年12月5日に放送された地上波での生放送番組「2018FNS歌謡祭」において活用し,ライブ映像制作において新たな映像表現を創造することができた.

論文特集 ディスプレイ ~IDW '19を中心に~
巻頭言
特集論文
  • 麻野井 祥明, 伊﨑 章典
    2020 年 74 巻 6 号 p. 1010-1013
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/27
    ジャーナル フリー

    クロマキーとは,映像内の特定の色に別の映像を合成する技術であり,一般的には緑色の布が背景に設置されている.本研究では背景偏光板と位相差板付きのフィルタ偏光板を使用して,緑単色を取り出すクロマキー技術について述べている.この技術は従来の手法と比較して,背景から照明を当てられる点,背景色を容易に変更できる点,緑色の布からの反射光による被写体の色づきを抑制できる点において優れている.クロマキー合成には色純度の高い緑色が必要とされており,位相差値を最適化することにより達成することができた.また,偏光板と位相差板を使用することで,被写体に反射した光が着色する課題が確認されており,フィルタ偏光板側に集約されていた位相差板を,背景偏光板側に分割することで,着色を低減できることが明らかとなった.

  • 長谷川 雄史, 住吉 悠希, 太田 脩平, 林 弥生, 西川 歩未, 竹裏 尚嘉, 秋山 康智, 岡登 洋平
    2020 年 74 巻 6 号 p. 1014-1020
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/27
    ジャーナル フリー

    本稿では車両走行時の車両揺れによって生じるヘッドアップディスプレイの表示位置ズレの補正技術を提案する.本補正技術は,車両揺れによる車体傾斜角度の変化に合わせて,ヘッドアップディスプレイの液晶パネル上に表示するコンピュータグラフィックス画像の表示位置を調整する.補正に使用する車体傾斜角度はコンピュータグラフィック画像の表示遅延に対応するため,車載センサの計測値よりも数10ミリ秒後の車体傾斜角度を予測する.本補正技術の評価として,平坦な道路を時速40 km/hで走行した際に計測した車体傾斜角度を用いて,50ミリ秒後の車体傾斜角度の予測性能を評価した.また車両助手席の頭部位置に設置した評価用カメラで走行風景とヘッドアップディスプレイ上のオーグメンテッドリアリティ表示を撮影し,その撮影映像の表示位置ズレ状態を評価することで本補正技術により車両揺れに伴う表示位置ズレの影響が軽減することを確認した.

  • 中川 航太, 青柳 寿和, 高松 宏彰, 下平 美文, 大橋 剛介
    2020 年 74 巻 6 号 p. 1021-1026
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/27
    ジャーナル フリー

    人間の視覚特性にはヘルムホルツ-コールラウシュ(H-K)効果というものがある.この効果は同じ輝度の色の場合,色の彩度が増加するにつれて知覚明度が徐々に増加する傾向があるというものである.このH-K効果の定量化は,広色域化による知覚明度の変化を考慮したディスプレイ機器の開発や評価への応用が期待される.我々は暗室で自然画像を対象として実験に取り組んできた.しかし,ディスプレイ機器を実際に使用する環境の照度は750[lx]以上とされており,D65蛍光灯に加え太陽光も取り込んだ環境が想定される.そこで本研究では,暗室とD65蛍光灯下に加え,太陽間接光下の三環境において調整法による主観評価実験を実施し,環境が明るくなるにつれてH-K効果の大きさが減少していることを確認した.また測色結果からH-K効果に大きく影響する彩度も環境が明るくなるにつれて減少していることを確認した.

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