東京地区, 大阪地区等の1大都市のテレビジョン放送局は実効輻射電力 (ERP) が約100kWで, サービス・エリアが広く, かっわが国は狭い面積の中に人口が密集しているので, 電界強度が5mV/m以上の地域内に含まれる人口は非常に多い。したがって, この程度の電界張度まで動作するテレビジョン受像機は相当数使用されるであろう。また最小入力電圧5mV程度の感度の受像機はVHFおよびIFの増幅器が比較的簡単になり, かつ受像機内部難音もほとんど問題にならず, また外部難音の多い都心では放送電波が強電界のため受像にあまり影響せず, 放送局からの距離が遠くなって電界強度の減少するとともに外部雑音のもととなる自動車等の通行数も減少する傾向にあるから, 雑音障害に対してもそれほど考慮を拂うこともない。そこで, このような状況に対応して受像機回路の簡易化が考えられ, 受像機のコストの低減をはかることができる。ここには筆者等が試みた回路の簡易化と, その結果設計された受像機を紹介することにする。
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