第一次のマイクロ波中継方式 (SF-B1方式) が東阪間に施設せられわが国最初の広帯域無線中継回線として注目を浴びたが, その経験により更にこれに技術的な改良を加えより経済的な回線が得られるような方式の実用化が企画せられた.その主なる狙いは中間中継局を無人化し, 高価なマイクロ波真空管の数を極力減らすごとき中継装置の設計を施し回線の保守費の低減をはかったこと, また電源方式を交流化し, 中継装置, 空中線等を簡易化し創設費を軽減したことおよび技術的改良点としては帯域内の伝送特性をよくするため各部の整合帯域内の諸特性の改善を行ったこと, また保守用測定器もその精度を向上し測定し易いようにしたこと等である.このように改良を加えられた回線が東京-仙台間に近く開かれようとしている.この回線は超多重の電話またはテレビジョン信号の忠実な伝送に使用せられるが, ここでは後者の立場でその方式の概要および装置の特性等の要点を報告する.
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