テレビジョン学会誌
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37 巻, 10 号
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  • 箕谷 宣広, 土橋 友次, 古沢 俊洋, 富田 義数, 佐久間 誠一, 渡辺 透, 頼 泰樹
    1983 年 37 巻 10 号 p. 769-775_1
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/08/17
    ジャーナル フリー
    ゲート構造がシンプルであり, 青色感度の向上に有利なクロスゲート構造を使った2/3インチ光学系サイズのFTCCD方式固体撮像素子を試作した.本撮像素子では, 蓄積部の面積を撮像部の1/2に集積し, チップサイズを11mmにしている.画素数は水平572, 垂直485であり, 白黒での撮像評価で解像度は, 水平420TV本, 垂直350TV本以上を得た.色フィルターはYe, G, Cyのストライプ形で, 補色であるYe, Cyの利用により高感度化が図れるとともに, 全画素から解像度に寄与するG信号成分を取り出せることから, 自然な画面が得られ, また信号処理回路がシンプルに構成できた.カラーカメラ特性は, 水平解像度240TV本, 垂直解像度350TV本以上, 最低被写体照度65lx (F1.4) を得た.
  • 松本 博行, 平田 芳美, 松井 拓道, 竹下 光明, 浜崎 正治
    1983 年 37 巻 10 号 p. 776-781
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/08/17
    ジャーナル フリー
    固体撮像素子において重要な特性であるブルーミング特性 (スミア) と残像に注目して, 今回インターライン形CCDイメージャーで, 低スミア, かつ無残像の素子を試作した.シリコン基板として, 高抵抗MCZ (Magnetic-field-applied Czochralski method) の使用およびp形ウェルを導入することにより, スミアを1/5~1/30に低減した.また受光部には薄いpoly Si電極を用いたMOS形センサーで高感度を損うことなく無残像を実現したことについて述べる.
  • 石原 保雄, 織田 英嗣, 谷川 紘, 河野 明啓, 寺西 信一, 秋山 郁男, 竹内 映一, 鎌田 隆夫
    1983 年 37 巻 10 号 p. 782-787
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/08/17
    ジャーナル フリー
    ブルーミング抑制機能をもつ2/3インチインターラインCCDイメージセンサーを開発した.このセンサーは強い入射光によって発生した過剰電荷をフォトダイオード直下に形成した縦形オーバーフロードレインに流し込むことによりブルーミングを抑制する新しいイメージセンサーである.このデバイス構造により光電感度を犠牲にすることなくブルーミングを完全に抑制することができた.スミアは1/10Vの入射光に対して0.05%と大幅に減少した.また広いダイナミックレンジ (72dB), 低雑音 (65電子) および理想的な分光特性をもち, 撮像デバイスとしてバランスの良い特性が得られた.
  • 堀居 賢樹, 黒田 隆男, 松本 茂則, 栗山 俊寛, 広島 義光, 国井 孝雄
    1983 年 37 巻 10 号 p. 788-794_1
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    CCD固体撮像素子について, 2/3インチサイズ素子の設計・プロセス技術で, より小形の1/2インチサイズ素子, および8mmサイズ素子を製作した場合の予想特性を求めた.予想特性を求める方法として, 水平方向について, 光電変換部, 信号転送部等, 1/2インチサイズの素子寸法と同じに作った2/3インチサイズ素子を用いた.その結果, 現用のプロセス技術で実用に耐え得る特性の1/2インチサイズ素子, 8mmサイズ素子が得られることがわかった.その特性を確認するため, 8mmサイズ素子を設計・試作した.素子構成はIT-CCDの特性が確認でき, スミアレベルが小さいFIT-CCD構成を用いた.スミアレベルは従来の固体撮像素子に比べ大幅に低減ができた.また, 解像度等の特性については, 検討用の2/3インチサイズ素子で得た予想特性とほぼ同じ特性が確認できた.
  • 寺川 澄雄, 松田 祐二, 小菌 利幸, 山田 隆博, 千田 耕司, 室園 泉, 広島 義光, 堀居 賢樹, 高村 亨, 国井 孝雄
    1983 年 37 巻 10 号 p. 795-802
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    呼び水転送部を埋込みチャンネル化した新構成のCPD形固体撮像素子を開発した.開発にあたって, MOS形, CCD形撮像素子の長所, 短所を検討したうえに, 従来の表面チャンネルCPD形撮像素子のノイズの低減, 呼び水転送効率への改善を図るため, 呼び水転送部の埋込みチャンネル化をポテンシャルモデルを用いて解析した.これらの結果をもとに, nチャンネル2層ポリシリコン2層アルミニウムプロセス技術を用いて, 2/3インチのイメージサィズの画素数398 (H) ×496 (V) の埋込みチャンネルCPD形撮像素子を設計試作した.本素子ではブルーミング抑圧のためのオーバフロードレイン構造とスミア低減駆動が可能な構成とを導入した.本論文において, ノイズの低減, 呼び水転送効率の改善などの実験結果および, フレーム蓄積モードとフィールド蓄積モードにおける撮像特性について述べる.
  • 近村 隆夫, 宮田 豊, 太田 善夫, 中山 光雄, 米田 忠央, 藤原 慎司, 石原 健
    1983 年 37 巻 10 号 p. 803-811
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    本論文は, 光導電膜として異種接合薄膜を電荷転送素子CCD上に積層した固体撮像素子に関するものである.積層形固体撮像素子は, 1セルあたりの光学的開口率が大きいため高感度で, かつ入射光の大部分を光導電膜で吸収し, さらに絵素電極で阻止するためスミア特性にすぐれている等の特徴を有する.しかし, 積層形固体撮像素子がその性能を充分に発揮するためには, 積層光導電膜と走査素子間における動作上の整合が必要である.本論文では, 積層形固体撮像素子の動作設計条件を明らかにし, 実験との対応を試み, 良い一致が得られることを示す.走査部に電荷転送素子を用いた積層形固体撮像素子のいまひとつの課題はハイライト残像である.強い入射光時における光導電膜の生成電荷量は, 電荷転送素子の最大取扱い電荷量の5~8倍に達し, 残像となる.この課題は, 垂直ブランキング期間の信号処理により解決し得ることを示す.以上を総合して得られた結果について述べる.
  • 高橋 健二, 長原 脩策, 竹本 一八男, 青木 正和, 小沢 直樹, 鈴木 敏樹
    1983 年 37 巻 10 号 p. 812-818_1
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    画素配置とインターレース方式の組合せによる固体撮像素子の解像度の違いを2次元的に考察し, 走査線ごとに画素を水平方向に半画素ピッチずらした補間配置と2行同時読出しインターレースの組合せが優れていることを示した.この結果に基づいて試作したMOS形素子により, 従来と同一画素数のままで約2倍の水平解像度500TV本が得られた.
  • 吉田 興夫, 岩本 明人
    1983 年 37 巻 10 号 p. 819-825
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    固体撮像素子の設計や撮像方式の決定に役立てるため, 規則正しく配列された画素からなる固体撮像素子の2次元サンプリングと2次元開口のフーリエ変換から, 2次元のナイキスト限界とレスポンス特性であるMTFを求める方法を述べた.2次元サンプリングの代表例として, 正方格子と市松画素配置となる斜方格子をとりあげ, 後者では水平方向のナイキスト限界が改善されること, 特に現状の500 (V) ×400 (H) 画素ではその改善効果が大きいことを示した.また, 従来解析されてきた水平軸や垂直軸などの特定方向のMTF以外に, 任意の方向におけるMTF値を求める方法を述べた.2次元開口の代表例として, 矩形とその一部を切り取られた矩形 (L形矩形) をとりあげ, 切り取られた方向でMTF値が増加する様子を明らかにし, それらのMTF値の等高線表示により2次元MTFを見やすく表示した.
  • 原田 望, 遠藤 幸雄, 林元 義明, 江川 佳孝, 田沼 千秋, 横山 勝徳, 吉田 興夫
    1983 年 37 巻 10 号 p. 826-832
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/08/17
    ジャーナル フリー
    フィールド蓄積形インターライン転送CCDを再生画像上の水平方向にフレーム周期で振らせることによって, 水平方向において従来の1画素セルの中に擬似的に2画素を構成できるスウィングCCDを試作した.このスウィング動作はCCDチップをバイモルフ圧電素子で振動させて行った.これによって490 (V) ×380 (H) 画素CCDの水平限界解像度が従来のほぼ2倍の500TV本に向上できた.また, いったん平均化されたCCD信号出力で読出しクロック周波数と同一のキャリヤを振幅変調して信号再生する方法により, 従来の広帯域信号処理回路を用いないで高解像度表示に必要な信号波形を得ることができた.そして, このスウィング撮像が単板カラーカメラの高解像度化にも効果があることを確認した.
  • 小滝 弘昭, 瀧澤 義順, 竹村 裕夫
    1983 年 37 巻 10 号 p. 833-839_1
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    インターライン形CCDを用いた単板カラーカメラの撮像方式について報告する.フィールド蓄積周波数インターリーブ方式を採用した.そしてその場合の色多重化のためのモザイク状色フィルターを系統的に整理し, まず基本になるパターン配列が100種類存在することを示した.次に, この100種類の中から感度, 解像度, モアレ等に関してすぐれているW, Ye, Cyの3色で構成されるものを選定した.試作カメラによる撮像実験の結果, この撮像方式はフィールド残像がなく, モアレの少ない良好な画像が得られることを確認した.
  • 増田 美智雄, 野田 勝, 鮎沢 巌
    1983 年 37 巻 10 号 p. 840-846
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    MOS形撮像素子を用いたPAL方式固体カラーカメラを開発した.PAL方式の撮像素子はNTSCに比べ原理的に水平, 垂直とも絵素数をおのおの約20%増加させる必要がある.同一チップサイズの撮像素子では全体で約50%の密度増加となるため, 感度の低下と歩留りの劣化を招く.そこで, 新たに水平の1線ごとに絵素を半ピッチずらす絵素ずらし方式を開発し, 水平絵素数の増加なしにNTSCに比べ約20%の解像度向上を達成することに成功した.色フィルターは透明, 黄, シアンの3色をΔ (デルタ) 配列にし, 色信号を得る.この撮像素子に対応し, 新たに遅延・サンプリング回路および同期と駆動の周波数が異なる場合にもジッターが生じない回路の開発を行い, PAL方式固体カラーカメラに適用し, 良好な性能を得た.
  • 森村 淳
    1983 年 37 巻 10 号 p. 847-854
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    固体撮像素子を用いた単板カラー方式のなかで, 色差順次方式は固体撮像素子出力を低域炉波するだけで広帯域の輝度信号が得られ, 色差信号が線順次に多重化されて得られる方式である.また色差順次方式では輝度信号を得るのに画像の垂直相関を利用する必要がないので偽信号の発生が少なく, 信号処理も簡単であるという特色を有している.今回, 従来の色差順次方式の特色を活かしつつ, さらに補色系色素と新たな色配列により, 輝度信号と色信号のS/N向上を図った改良形色差順次方式を開発した.従来の色差順次方式と比較して, 輝度信号量で+3dB, R-Y色差信号で同等, B-Y色差信号で+4dBの結果を得た.CPD撮像素子に改良形色差順次方式を適用し, 総合的な画質の改善を図るとともに, 輝度信号のS/N46dBのとき, 色差信号R-YのS/N45dBの値を得た.
  • 曽根 賢朗, 石川 清次, 橋本 進, 黒田 隆男, 大久保 祥雄
    1983 年 37 巻 10 号 p. 855-862_1
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    フィールド蓄積モードを用いたインターライン転送方式CCDに適用できる新構成の単板カラー化方式を提案し, そのカラー撮像評価を行った.フィールド蓄積モードを用いた新らしい単板カラー化方式により, 等価残像がなくなり, 垂直限界解像度付近でのフリッカーが軽減され, 総合画質にすぐれたカラー再生画像を得ることができた.
  • 大西 和則, 和久井 孝太郎
    1983 年 37 巻 10 号 p. 863-868
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    固体撮像素子の新しい応用として電子スチルカメラがある.固体撮像素子は, 素子構造や動作からディジタル信号処理が適しているという見地から, 回路部を全ディジタル化した電子スチルカメラを試作し, その可能性について検討した.カメラには, 単板カラーカメラ用インターラインCCDを使用し, 記録素子にはCMOSスタティックRAMを使用している.また, カメラ部での信号処理をできるだけ少なくするようにし, 信号処理はすべて再生器でマイクロコンピューターソフトウェアにより行った.以上のようなシステム構成により, カメラ内部に回転部がなくシンプルな構成のカメラが出来, ソフトウェアによるディジタル信号処理によりフレキシビリティーのある信号処理が可能となるなど多くのメリットが確認でき, 固体撮像素子の出力をディジタル処理することが有効であることが確認できた.
  • 安藤 治久, 大井 一成, 黒田 隆男, 河野 明啓, 藤本 眞, 古沢 俊洋, 松本 博行, 宮武 茂博, 竹村 裕夫, 佐藤 和弘
    1983 年 37 巻 10 号 p. 869-876
    発行日: 1983/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
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