ゴースト障害の客観的評価量であるPDURを実際の障害調査に導入する場合, ゴースト波の経時的変動, 使用アンテナ, 受信点などのフィールド要因のPDUR測定値に与える影響を知る必要がある.PDUR測定器を用いた野外受信における測定実, 験によりその影響を調べた.これにより, ゴーストのDU比, 位相差の変動に伴うPDURの変動を1ヵ月半にわたる定点測定で確認した.また, VHF帯, UHF帯とも通常の市販アンテナの場合, その素子数, 高さのPDUR測定値への影響は有意でないこと, 配電線の近傍ではPDURは大きく変動すること, フレネルゾーンの半径内にビルの端面がかかるような測定点ではPDUR測定値にビルの影響が残ることを明らかにした.さらに, 1/2街区程度の小区域内で8地点以上の測定を実施すれば, この区域の平均的な障害程度の把握が可能であることを示した.
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