マルチメディアの大容量記憶に適した3.5インチ光ディスク装置を, ドライブの小型化, 媒体互換性の検討を目的に試作した.試作機では, 改良型サンプルサーボ方式として規格提案されたDBF (Discrete Block Format) 方式を採用し, 光磁気による書換型およびROMディスクに対応する.機構系は, 分離型ヘッドにより, 可動部重量を60g以下に軽量化し, 高速アクセスを実現した.光学系では, 非点収差マイクロPBSを採用し, 光磁気信号とサーボ信号を一括検出することで, 初期CD並みの小型化を実現した.信号処理系では, 再生信号の抽出に差分検出方式を採用し, 複数のディスクによる互換性試験を行った.この結果, 10
-3以下のバイト誤り率を満足する再生ポジションの余裕は±20nsであり, 記録パワーは9mW以上であることを示した.また, DBF方式は, データ領域がサーボ領域に影響を与えず, ROMディスクにも適していることを示した.
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