記録再生系は, 若干の非線形性を持つ線形伝送路と見なすことができる.伝送路では正確な等化を行うために, その伝送特性を把握することが重要である.発生が容易な周期パルス波形を用い, 波形の対称性の性質を利用して媒体の表面磁束分布と記録再生系の伝送特性を測定する方法を考案した.この測定法を用いて各種テープの伝送特性と表面磁束分布の測定を行った.記録系の伝送特性を正確に測定することができ, 特に位相特性の測定結果からそれぞれのテープにおける残留磁化の配向の違いが分かった.また, 表面磁束分布の測定結果から, 長手配向テープと垂直配向テープで記録リングヘッド磁界が異なることを示す結果を得た.
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