当研究所では, 重度肢体不自由者向けのコミュニケーション補助装置として, 随意運動が比較的最後まで残りやすい眼球運動を利用した視線入力式コミュニケーション装置の開発を手がけている.本報告では, これまでの試作装置に, 臨床評価が十分可能となるほどに改良を加えたので, その改良点と臨床評価結果について報告を行う, 臨床評価においては, 文字選択の設定時間と慣れの影響にもよるが, 利用者は3〜4秒程度で1文字を選択できることが分かった.長時間の使用になると, 誤入力が多少あるため入力効率は若干落ちるが, 同じ文章を走査選択式で入力するよりもはるかに早い入力が実現できることが確認された.
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