1998年9月14日から17日まで、米国オレゴン州ベンド市で開催されたEL98/1998 Conference on Display Phosphorsについて報告する。ここでは、発光型ディスプレイ分野の発表の中で、特に無機エレクトロルミネッセンス(EL)および蛍光体に関連するセッションで発表された論文の内容を要約して紹介する。発表件数は、無機ELデバイスおよび蛍光体関連が48件であった。
Asia Display98(IDRC 18^<th>)が、韓国・ソウルにおいて、1998年9月28日〜10月1日に開催された。Electroluminescent(EL)デバイスに関しては多数の発表があったが、注目すべきはディスプレイに関する発表が増加してきていることである。ELディスプレイは他のディスプレイと並んで、ひとつの有望なディスプレイ技術として成長しつつある。今回は、Asia Display98でのELに関する発表を、主にディスプレイとしての観点から報告する。この観点から興味深かった発表としては、ポリマーELデバイスのインクジェット直描によるRGBパターニング(富山大学)、低温p-SiTFT駆動有機ELディスプレイ(セイコーエプソン/コーネル大学・コダック)、アクティブマトリクスELディスプレイのランプ波を用いた階調を実現するための駆動方法(サーノフ)、等が挙げられる。
Asia Display'98での広視野角技術関連の発表について、その概要を報告する。今年の特徴として、垂直配向型(VA)および横電界型(IPS)に関する報告が多く、特に垂直配向型においては、ラビングレス配向制御技術に関する検討が盛んであった。また両方式ともに、視角特性はもとより応答速度、輝度等、トータルでの表示性能改善のための開発活動が活発であった。