Pt, Pd添加によるTbFeCo磁性薄膜の短波長域における高密度光磁気記録への可能性を検討するために, TbFeCo/(Pt, Pd)多層膜の飽和磁化及び磁気光学効果について, その大きさと物理的な起源を考察した.磁気的には, Pt, Pd両者で飽和磁化が著しく増加し, それらが遷移金属副格子磁化を増加させる方向に作用する特徴が見られた.磁気光学特性については, Pt多層膜において紫外領域の極Kerr効果が顕著に増加した.Pt多層膜の磁気モーメントの著しい増加, 及び磁気光学効果のピークは, 界面に主にFe-Pt合金が形成されることをもって説明される.Pt, Pd多層膜間で紫外領域における磁気光学効果のエンハンスメントに違いが現れたが, これはPt5d軌道とPd4d軌道による電子遷移の差を反映したものであると考えられる.
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