テレビ視聴の操作に使うことが可能と考えられる3種類のポインティングデバイスの操作性について, タスクの遂行時間を指標として評価した.ポインティングデバイスとして, ボタン型, トラックボール型, ジャイロ型の3種類を対象とした.最初に, テレビの視聴環境とパソコンなどの情報端末の操作環境とでは視距離が異なるため, タスク遂行時間が視距離に依存するかどうかを検討した.その際, 手元での動作量と画面上のカーソル移動距離との比であるゲインも独立変数として検討した.その結果, 3種類のポインティングデバイスとも, タスク遂行時間とゲインの関係は視距離に依存しないことが示された.次ぎに, 最適なゲインにおけるタスク遂行時間, カーソル移動距離と最適なゲインの関係, Fitts'の法則から見た操作性の3つの観点から, 3種類のポインティングデバイスを比較した.その結果, いずれの観点からも, ジャイロ型が優れていることが示唆された.
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