コントラスト情報から図地判断を行う皮質モデルを提案する.物体認識において最も重要な過程は面の知覚であり,その本質は図地判断にある.図地判断によく対応した細胞が,サルの視覚皮質V2に存在する事は知られていたが,その生理機構は良く知られていなかった.しかし最近, H.Zhou, H.S.Friedman,and R.von der Heydt[1]らによって,図地判断に対応する細胞がV1,V2,V4に存在し,それらの多くがコントラスト選択性を合わせ持つことが示された.従来のモデルでは,図地判断はT-junctionやOwnership junctionによって説明されることが多かった.しかし皮質では,コントラスト情報から直接的に図地判断が行われている可能性がある.本研究では,コントラスト情報の組み合わせによって図地判断を行う,神経回路網モデルを提案する.
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