本報告では,0FDM(直交周波数分割多重)チャネル上でのJPEG2000エラー耐性機能の評価を行う.符号列にマーカコードを挿入するJPEG2000の標準のエラー耐性機能は,高い誤り率の元では重要なデータ(ヘッダや重要度の高いレイヤ)を保護する能力が十分でないことを示す.そこで,新しいエラー耐性機能についての提案,評価も併せて行う.提案法は,JPEG2000の機能の一つであるレイヤ構造を利用する.送信側では,符号列の中から重要度の高いデータを抽出し,FEC(前方誤り訂正)符号により抽出されたデータを保護する.この保護されたデータは,重要度の低いデータ部分に埋め込まれる.受信側では,埋め込まれたデータを取り出し,利用することで,エラーを回復する.本提案法は,様々なレベルでエラーの保護を可能とし,また,JPEG2000標準の符号列を保持する.加えて,従来のエラー耐性法と併せて使用することも可能である.
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