低位相雑音で周波数レンジの広いGHz帯の電圧制御発振器(VCO)の最適設計法を提案する.位相雑音は発振周波数の2乗に比例し,発振振幅の2乗に反比例するため,通常は所望の周波数において振幅を最大化する.ところが,振幅は周波数と比例関係にあり,周波数レンジの拡大にともなって全体域において振幅を最適化するのが困難になる.本論文ではこの問題に対して有効な回路構成とその設計手順について述べる.我々の提案する手法により0.25μm CMOSプロセスを用いて,オンチップインダクタを使用したモノシリックVCOを設計した.その結果,周波数レンジは1.18GHz〜2.21GHz,発振周波数1.21GHz,1.54GHz,2.21GHzにおける位相雑音は-110dBc/Hz,-107dBc/Hz,-96dBc/Hz(@100kHzオフセット)と良好なシミュレーション値を得た.VCOコアの電流は7mA,電源電圧は2.5Vである.
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