FGSは,受信側で画質をスケーラブルに制御して動画像を復号することができる符号化方式であるが,階層化を行わない方式と比べて,分割損により符号化効率が低下する問題が生じる.したがって,本論文では,符号化効率の低下を抑えるための3つの方法を提案する.1つ目は,有意ビット分類により拡張レイヤのビットプレーン符号化の効率を改善させる方法である.2つ目は,拡張レイヤヘ動き補償予測を導入して予測精度を高め,差分画像の信号を低減して発生する符号量を削減させる方法である.3つ目は,基本および拡張の両階層から参照画像を補間することによって,低レート伝送時のドリフトエラーの伝播を低減させる方法である.これらの方法を適用し,計算機シミュレーションを行った結果,提案方式のPSNR特性は従来のFGSを約1dB上回ることを確認した.
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