本文では,画像検索のためのSVDDに基づく対象物の自動抽出手法を提案する.提案手法では,教師画像として与えられる対象物を含む画像および含まない画像にSVDDを適用することで,対象物が存在する領域を自動で抽出する.具体的に,SVDDにより算出される識別超球の中心からの距離に基づき,局所ブロックから得られる特徴ベクトルが対象クラスに属する確率を定義し,この確率の下,教師画像から対象物が存在する正例領域および存在しない負例領域の取得を可能とする.このとき,提案手法では,正例領域と負例領域をより高精度に分離することが可能な識別超球を与えるように,用いる特徴量を適応的に選択する.以上の超球の算出と正例領域および負例領域の抽出を,領域のサイズを変更して繰り返し行うことにより,あらかじめ教師画像から対象物を抽出することなく,画像中から対象物の検出が可能となるため,対象物に注目した画像検索が期待できる.
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