送出システムや受信機における放送・通信の共通処理を促進するため,通信で用いられているIPパケットによりコンテンツを伝送する放送方式が開発されている.日本で規格化された高度広帯域衛星デジタル放送は,放送・通信が協調したサービスを実現するため,IPパケットを効率よく多重可能なTLV多重化方式を備える.TLV多重化方式では,IPヘッダーの圧縮フォーマット,IPアドレス解決のための伝送制御信号とTLVパケットのフォーマットが規定される.本稿では,高度広帯域衛星デジタル放送の送受信装置を用いたIPパケットの伝送実験を行い,伝送時のオーバヘッドの削減効果および伝送遅延ジッターを評価し基本性能を確認すると共に,IPアドレスによる選局機能を検証する.
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