移動中継用の700MHz帯FPUはマラソンや駅伝の中継で映像,音声を伝送するために用いられているが,総務省の周波数再編アクションプランにより1.2GHz帯,2.3GHz帯へ周波数を移行することが検討されている.移行先の周波数は現行の周波数より高くなるため,その伝搬損失を補償するために送信出力を大きくすることを検討している.そのため,送信アンテナの近傍で作業するスタッフへの電磁波曝露の影響が懸念されるが,FPUに関する電磁波曝露の影響の検討例はほとんどない.今回,送信アンテナ近傍で作業するスタッフを対象に700MHz帯,1.2GHz帯,2.3GHz帯FPUの運用を考慮して送信アンテナをモデル化し,数値人体モデルを用いて電磁界解析することで人体の比吸収率を解析した.その結果,ビームを絞って高利得化する場合は無指向性の場合と比較して比吸収率が最大で約2倍大きくなることがわかった.
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