Bragg反射鏡から構成されるスローライト導波路は,コア層を高反射率の多層膜反射鏡で挟んだ構造であり,高屈折率差の多層膜構造により,様々な伝搬角の光を横方向に伝搬することも可能であり,大きな波長分散を有する.大きな波長分散により,光の群速度制御が可能であり,これまで様々な導波路デバイスを提案・実証してきた.また,波長可変光源とスローライト導波路を用いることで,巨大なビーム掃引機能が可能である.本デバイスの特徴は,伝搬損失を低減することで,素子長を長くすることにより,ビーム広り角を低減して,ビームスキャナとしての性能指数である解像点数を1,000以上にまで増大できる点である.実際にGaAlAs系Bragg反射鏡導波路を作製し,ビーム広がり角0.04°以下,ビーム偏向角40°以上の解像点数1,000を実現している.本講演では,Bragg反射鏡スローライト導波路を用いた高解像度ビーム掃引デバイスの動作原理とデバイス製作・評価について紹介するとともに,MEMS技術・熱光学効果によるビーム掃引,レーザ光源と1チップ集積化,2次元ビーム掃引の可能性,イメージング応用の可能性などについて述べる.
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