仮想物体に感触を与えることは,リアリティや操作性の向上が図れるという点で,非常に効果的である.現在研究されている触覚提示手法は,二つに分類できる.一つは,触覚に直接刺激を与える方法,もう一つは,視覚や聴覚など,触覚以外の感覚刺激から触覚を誘発する方法である.前者には,手がふさがる,用途が限定されるなど,触覚提示の活用範囲が狭いという問題がある.また,後者については,視覚による錯触覚が有効であるという可能性が示唆されてはいるが,視覚が触覚にどれほど寄与しているのかは定量化されていない.そこで本研究では,視覚がどれほど触覚に寄与しているのかを調査し,さらに,視覚情報の拡張によって新たな触覚を提示することで,手指による新しい操作感の創造を目指す.
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