本手法では,排泄や入浴などの行動内に含まれる複数の類似した動作を高信頼に識別し,非定常な動作を検出する手法を提案する.人間が日常生活でおこなう動作の発生順序は,行動ごとにパターン化されていることが少なくないことに着目し,動作間の遷移のしやすさを考慮して動作を識別する.本研究では,動作ごとに構築したHMMから出力される動作らしさを表す尤度と,あらかじめ学習しておいた,動作の発生順序を表す確率値を組み合わせることによって動作を識別する.また,識別結果をもとに尤度を分析し,非定常な動作を検出する.パターン化された日常動作の一例として,トイレ内動作動画像100シーケンスを用いた評価実験において,平均識別成功率が87.0%,非定常動作検出率(F値)が0.74であることを確認した.
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